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[知的財産] 既出願と類似のデザインの登録

Q : 製品の試作デザインを1 ヶ月ほど前に意匠出願しました
が、その後、試作デザインを少し手直して最終デザインを決定しました。試作デザインとよく似たこの最終デザインを試作デザインと併存して意匠登録できますか。

A : 関連意匠による登録を検討すべき

同じ雰囲気を有する一連のデザインのバリエーションを包括的に権利化したいようなときには、互いに類似する複数のデザインを意匠登録する必要が生じます。互いに類似する複数のデザインを同一出願人が意匠登録出願する場合、意匠登録を認める関連意匠制度が設けられています。関連意匠制度を利用し登録する複数のデザインは2 個でなくても3 個以上でもよいのですが、次のa ) ~d ) のような条件を満たす必要があります。

a ) 複数のデザインのうちいずれかを本意匠としたとき、その複数のデザインのうち本意匠以外のデザインのいずれもが本意匠と類似すること

b ) 複数のデザイン各々の出願のいずれも同一出願人によりなされること

c )本意匠の出願日以降かつ本意匠の意匠公報の発行日( 登
録後に発行) 前に、その複数のデザインのうち本意匠以外のデザイン( 関連意匠) の意匠登録出願がなされること

d ) 通常の登録要件( 新規性や創作性等) を満たすこと関連意匠の意匠権( 以下、「関連意匠権」と言います)は、本意匠の意匠権( 以下、「本意匠権」と言います) と多くの場面で運命を共にします。例えば、関連意匠権の存続期間は本意匠権の設定登録日から2 0 年で終了しますし、関連意匠権と本意匠権とは分離して移転できません。

しかし、関連意匠権は独自の効力を有しますので、本意匠権では効力が及ばない場合でも関連意匠権の効力により他人の模倣を防止できる場合もあります。

貴社の場合、試作デザインの意匠出願はまだ登録されておらず意匠公報発行日前だと考えられますので、試作デザインを本意匠とし、最終デザインに関し関連意匠出願をすれば登録される可能性があると思います。

このように一連のデザインのバリエーションは、最初の意匠出願が登録され意匠公報が発行される前に全てのデザインの意匠出願を完了するよう注意すべきです。

笠原特許商標事務所
弁理士・所長
笠原 英俊氏
岡山市北区野田2-7-12
TEL086-245-0440

本誌:2013年2.4号 22ページ

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