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[知的財産]  商品販売店やネットショップ名の守り方

商品販売店名やネットショップのサイト名は、取り扱う商品を指定して商標登録すればよいのでしょうか。

小売等役務商標制度による登録

A :「財布」等の商品を指定し登録された商標は、その商品やその包装に付した商標( 商品と一体的な使用態様) に効力が及びますが、「財布」等の商品を販売する店の看板に表示された店名やネットショップのサイト名には効力が及びません( 同様に、レジ袋や買い物かごに表示されたロゴマークや店舗名称等も効力が及びません)。

しかし、商品を販売する小売業者は、顧客が商品を的確かつ円滑に購入できるよう、品揃え、商品展示、商品説明、接客等のような小売に関するサービス活動をしており、これにより顧客もその小売業者において安心して商品を購入することができます。このため小売のサービス活動の主体( 即ち、商品販売の主体) を示す商標( 販売店名、ネットショップサイト名等) も保護( 独占的使用) されるべきとのことから、平成1 9 年4 月1 日から、商品小売の際に使用されるこのような商標を保護する小売等役務商標制度が開始されました。これにより商品の販売店名やネットショップ名等は小売等役務商標による商標登録を受けること
で、他人の無断使用を排除し独占的かつ安定的に継続使用することができるようになりました。

小売等役務商標の登録は経済的にも大きな利点があります。即ち、小売等役務商標の登録では、第3 5 類の1 区分( 区分に関しては5 月号をご覧下さい) で全ての商品の小売り行為が包含されますので、多くの種類の商品の小売り行為をカバーする場合でも1 区分の印紙代で足ります。例えば、キーホルダー、ボールペン、財布、コップ各々を指定商品として権利取得する場合( 4 区分) であれば、出願時37,800 円、登録時( 10 年)50,400 円、更新時( 10 年) 194,000円の印紙代を要しますが、これらを小売等役務商標とすれば出願時12,000 円、登録時( 10 年) 37,600 円、更新時( 10 年)48,500 円の印紙代ですみますので随分低額です。

更に注意を要する点として、既に商品に関し商標登録されている小売業者の方は、その登録のまま更新すると、高額な更新費用を負担したにも関わらず、十分な保護が受けられない可能性があります。商標の更新をなさる時には、本当に今の登録のままでよいか検討が必要です。

笠原特許商標事務所
弁理士・所長
笠原 英俊氏
岡山市北区野田2-7-12
TEL086-245-0440

本誌:2012年7.9号 27ページ

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