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[経営] 経営安定化と種類株式の活用

Q.会社法の各種制度や種類株式活用により中小企業の経営安定化、事業承継の円滑化をはかる方法は?

A.種類株式で経営の選択肢が広がる

1.株式の集中と分散防止に役立つ会社法の規定

①会社による自社株取得。(会社法155,156,160条)総会決議により、会社は自社株の有償取得が可能です。②株式譲渡制限規定の設置。(会社法108条Ⅰ④)他者に株譲渡する際に会社の承認を要する定款規定を設け、好ましくない者への譲渡制限が可能です。③相続人への売渡請求条項の設置。(会社法174条)会社に好ましくない者が株式を相続した場合、会社が株式の売渡請求できる定款規定の設置が可能です。

2.種類株式の内容とその活用状況

種類株式とは、剰余金の配当や議決権の権利等内容が異なる2種類以上の株式を発行した場合の当該株式のことで、会社法では以下9種類が規定されています。
①剰余金の配当優先株式、②残余財産の分配優先株式、③議決権制限株式、④譲渡制限株式、⑤取得請求権付株式(株主が会社に取得請求できる株式)、⑥取得条項付株式(予め定めた一定事由が生じた場合に会社が株式を取得できる株式)、⑦全部取得条項付種類株式(2種類以上の株式を発行する会社が総会特別決議により、株式の全部を強制取得できる株式)、⑧拒否権付株式(取締役選解任・合併等一定事項につき特定株主に拒否権を付与する株式)、⑨役員選任権付株式(役員の選解任議決権を有する株式)などです。

なお経産省主催の「種類株式に関する研究会報告」によれば、未上場企業の資金調達の多くが普通株により、種類株利用は約10.7%と余り活用されていません。

3.種類株式のその他の活用目的

(1)「経営の安定化」には、2の③議決権制限株式、⑥取得条項付株式、⑦全部取得条項付株式などが有効です。
(2)「事業承継の円滑化」には、2の①剰余金の配当優先株式、②残余財産の分配優先株式、③議決権制限株式、⑧拒否権付株式などが有効です。いずれも規定設置のためには、株主総会の特別決議ないし全株主の同意が必要ですのでご注意下さい。

 以上、種類株式をもっと経営に活用しましょう。

税理士法人石井会計代表
石井栄一氏
岡山市南区新保1107-2
TEL086-201- 1211

本誌:2012年6.11号 21ページ

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