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連載記事

遅れた公共交通政策

 山陽新聞の社会面(2011.2.3)に「路をつなぐ:生活交通白書」という囲み記事が掲載されていました。それによると過疎地だけでなく岡山市や倉敷市でも郊外団地によっては公共の足がなく、車を運転できない人にとっては外出もままならない事態になってきているとのことです。

 その具体例として早島町の若宮団地が取り上げられていました。平日は町営のコミュニティーバスが1時間に1本あるが土日祝ともなるとそれも運休で高齢者にとって非常に住みにくい町になっているようです。

 いったいなぜこうも日本の公共交通政策はお寒いのか、住民が困り果てているというのになぜ行政は見て見ぬふりをするのか理解に苦しみます。とりわけ岡山市ではバスはすべてが民営で、採算が取れない路線は簡単に切り捨てられます。

 こうした日本の状況と対照的なのがタイの公共交通システムです。基幹交通システムとしては地下鉄と高架鉄道があります。しかし、何と言ってもすごいのは充実したバス路線網で、次から次へとやってくるバスを乗りこなすのは外国人にとってはやっかいですが、便利なバスマップが何種類か売られていて、それを見ればどこでも自由自在に行けます。

 また、大通りからはソイと呼ばれる行き止まりの路地が延びていますがソイの奥に行くにはソイの入り口で常時待機しているバイタク(バイクタクシー)を拾います。ヘルメットをかぶり運転手にしっかり抱きついてふり落とされないようご用心!

 結局バンコクでせかせか歩いているのは日本人を含め外国人だけで、現地の人は100mの距離でも歩こうとしません。まるで歩く習慣がないかのようです。

 地方都市では小型トラックを改造したバス、ソンテウが大活躍です。これに乗るコツは黙って乗り込み降りがけに10バーツ(30円)渡すこと。しゃべったら日本人であることが分かり「はい、100バーツ!」。しかし便利な乗り物です。

 日本も戦後貧しかったころはバスが縦横に走っていました。妹尾駅から庭瀬を通って高松稲荷まで小さな中鉄バスが走っていたことが懐かしく思い出されます。岡山ではNPOのRACDAが精力的に公共交通問題に取り組んでいますが、市電の路線延長ひとつとっても遅々として進まないのがもどかしい限りです。

本誌:2011年2.21号 14ページ

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