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オールドカー

 15年前に買った日産パルサー。今ではまったく見かけることのない車です。走行距離は25万㎞、お月様には届かないもののこの15年で地球を6周した計算になります。エンジンは頑丈でトラブル知らず、燃費だって新車時代と大して変わりません。

 それなのに自動車税は割り増し税をかけられ、さらに今廃車にして新車を買えば何十万円かの補助やら減税をしますと政府は悪魔の声でささやきかけてきます。古い車を廃車にして新車を買うことがなぜ「エコ」なのかさっぱり訳が解りません。

 とはいえこの老嬢、春ごろからエアコンがときどき動かなくなり、真夏になったころ完全に壊れてしまいました。とりわけ今年の夏のように雨が多く蒸し蒸しする日にエアコンがないのはつらいです。

 修理すれば軽く2、30万取られそうでやはりこの車も引退の潮時かもしれないなあと思いつつ、1人で店を切り盛りしている修理屋さんに相談、すると「中古の部品がありました。部品代が4500円、工賃を入れて全部で7000円です」と破格の見積もりを出してくれました。

 そんなわけで我がオールドカーは延命に成功。この修理屋さん、若いのに一家言あって、「エコを言うなら車になど乗らないことです」と政府のエコ減税政策には手厳しい。

 いい車に当たり、腕も考えもしっかりした修理屋さんに出会えた幸運を生かすためにも政府の甘い誘惑にほいほい乗って愛車を見捨てるようなまねはできません。

 それに私の人生を運び続けた車には家族のような愛着があります。最近寂しく旅立ってしまった大原麗子のCMが思い出されます。「少し愛して、長ーく愛して」。次の目標はお月様(36万㎞)です。

本誌:2009年8.24号 16ページ

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