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臓器移植法改正に思う

 臓器移植法改正案が成立し、いままで何億円ものお金を調達してアメリカで移植を受けるしかなかった子供たちが国内で移植を受けられる可能性が出てきました。

 国会でも議員1人ひとり価値観や倫理観が違う中、ともかくも一定の結論を出したことは素直に評価したいと思います。

 しかし提供する側、される側の感情や心理はいったいどのようなものなのか、割り切れるものなのか自分が当事者になってみないと知り得ないことばかりです。

 今あえて私の知識や偏見でこの問題を考えるとき一番気になるのは臓器の提供を受ける側にはそれなりの約束をしてもらう必要があるのではないかということです。

 端的に言うと提供を受ける側の義務として、将来本人あるいは1親等(ないしは2親等内)の親族が脳死状態になったときは臓器提供する旨あらかじめ意思表示をしないといけないということ。

 あとで取り消したいときは家庭裁判所の許可が必要など技術的な詰めも考えておかないといけないでしょうが、ともかく、自分は人から提供してもらってもドナーになるのはいやといのはマナー違反であることを法案の中になぜ入れなかったのかのか残念です。 

 もう1つの問題は移植手術を受ける優先順序。医学的な緊急度をベースにしつつも同じような症状なら、ドナーカードを多く集めた人に優先権ありとするのはいかがでしょうか?ドナー登録を飛躍的に増やすには効果的な方法だと思います。

 こんなことを言うと有名人や有力者の子供ほど有利になり、力のない人、組織力のない人の子が見放されるのは目に見えていると非難されるでしょう。しかし、それが運というか人生ではないでしょうか。

 今でも何億円もの募金を集めてアメリカに渡る家族を見ていると、そういう力のある親子の背後に何千、何万のなすすべもなく子供の死を看取らざるを得なかった悲しい家族の姿が浮かんできます。

 とにかく一歩踏み出した子供の臓器移植について、今後の推移に注目していきたいと思います。

本誌:2009年7.27号 16ページ

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