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“髪型設計”:中国語雑感

 台北の町中を歩いていてふと目に留まった看板にはこのような文字が書かれていました。「髪型設計」。言うまでもなく美容院の看板です。

 「ヘアスタイル」とか「デザイン」などというカタカナ語にはない強烈なインパクトがあります。きっと店の中では美容師がパソコンを駆使してダムや超高層ビルを設計するのと同じ意気込みで、ヘアスタイルの3次元設計に取り組んでいるに違いありません。

 「髪型設計」の隣にある喫茶店に入ると、さっそく店員が駆け寄ってきて「歓迎光臨!」(ホァンイン・クァンリン)と声を掛けてきます。「ご光臨を歓迎いたします」。単に「いらっしゃいませ」と言われているだけなのにまるで新興宗教の教祖様にでもなったような気分です!

 偉大な漢字文化。中国語などしゃべることも聞いて理解することもできない日本人旅行者にとって、漢字を見ればおおよその見当が付くのは本当にありがたい。「手紙」がトイレットペーパーだったとしても紙には違いありません。

 とはいえ、漢字文化をしっかり守ってきた中国語も外来語の標記となると一転して支離滅裂な当て字を使うのは不思議です。エジプトは“埃及”(Aiji)。きっとカイロにまで及んでくる砂漠の砂ぼこりを見てそんな当て字を思いついたのでしょう。

 国名はまだしも欧米人名の中国語スペルはいったい誰がどうやって決めているのか知りたいものです。オバマ大統領は“奥巴”(Aoba)、「アォパとはおれのことかとオバマ言い」。

 ただ最近の中国の雑誌などを見ているとブランド名や欧米人名をアルファベットのまま書いている例も多く、あと何十年かしたら中国語は様変わりするかもしれません。

本誌:2009年6.1号 14ページ

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