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事故米

 もう20年前ぐらいになりますが、霊幻道士という香港製の娯楽映画が大ヒットし、日本でも子供がキョンシーの真似をして、両手を前に突き出しピョンピョン飛び跳ねていたものです。

 シリーズの何作目かの作品に、キョンシーを撃退するにはもち米が卓効を示すという話がありました。主人公の男は米屋からもち米を買って待機、まもなくやってきたキョンシーに米を投げつけたところ、キョンシーは一瞬ひるむだけであまり効き目がありません。

 男が不思議に思って米を調べたら、何ともち米にうるち米が混ざっていたのです。米屋の仕業でした。値段の安い普通米をブレンドして客をだましていたのです。

 主人公がキョンシーの再来に備えてインチキ米をざるに広げて一粒ずつもち米を選び出しているシーンはおかしくも泣けるものでした。

 今でもこのシーンをよく覚えているのは、何と言ってもそこに香港流のユーモアとペーソスが絶妙な味をもって表現されていたからですが、香港や中国ではわずかな利益のためにまさかそんなせこいことをするのだろうか?、うそだろう!という強烈な驚きがあったからです。

 しかし、今回の事故米騒動を見ていたら農林水産省や食糧取り扱い業者がやっていることは香港の米屋よりよほど悪質かつ大規模であることに愕然。

 事故米の多くがもち米だったということは正月にスーパーで山積みされる餅は大丈夫なのか、きわめて怪しいです。

 事故米が使用された焼酎や和菓子は全商品を回収して焼却するしかないと思いますが、懲りない食品業界のこと、今度は回収された食品が家畜の飼料に化ける心配があります。それほど食の安全に対する信用は地に墜ちています。

 福田首相は最後の仕事として即刻太田農水大臣の首を切るべきですが、死に体内閣にもうそんな力は残ってないでしょうね。

本誌:2008年9.29号 14ページ

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