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ブサメン

 “ブサメン”とは、若者言葉でブサイクな面構えの人の意味。イケメンの対として4、5年前に誕生した俗語らしいのです。
私がこの言葉を最初に目にしたのは、守屋前防衛省事務次官のスキャンダルが話題になりだした初秋のころのことでした。

 ゴルフ接待、料亭接待、「防衛省の天皇」と呼ばれ権力と利権をほしいままにして私腹を肥やしていたなどと、彼の疑惑や行状を見て見ると、今時そんな古典的な汚職に没頭する人間がいるのだろうかと、にわかには信じ難い気がします。ブサメン・コンプレックスが守屋氏をここまで増長させたのでしょうか?

 守屋夫妻が逮捕された同じ日、もうひとつ大きなニュースが流れました。お隣香川県坂出市で起きたミステリアスな殺人事件の犯人が逮捕されました。供述に従って遺体が出てきました。

 逮捕された犯人の顔写真を見るとずいぶん若い時の写真みたいで、風間杜夫ばりのイケメン。これに対し被害者である幼子たちの父親ははっきり言ってかなりのブサメンで、饒舌なのに滑舌が悪いのです。

 「ばあちゃん」が1日13時間もきつい立ち仕事をして孫たちの面倒を見ていたというのに、仕事もせず車を乗り回して…と評判は悪く、そこのところをマスコミによって色眼鏡で見られ、かなりの偏見と先入観を伴った報道がなされてきました。

 もし、被害者の父親が色白でシューッとした風間杜夫風の男だったらマスコミの姿勢もずいぶん違っていたはず。

「男は40歳になったら自分の顔に責任を持たなくてはならない」とはエイブラハム・リンカーンの言葉だそうですが、年と共にブサメン街道一直線の私にとって、リンカーンの言葉が痛いです。

本誌:2007年12.10号 14ページ

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