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連載記事

ヒューマン・ナビ

 知り合いの若者が、就職して初めて東京出張することになったが土地勘がなくホテル探しに困っている、というメールをよこしました。

 会合があるという会議場に近く、宿泊費は1万円以内、設備も整い、部屋は広めで清潔、こういう条件のホテルを探し出すのは困難なことながら、私はなぜかこの手のリサーチには燃えるのです。

 さっそく西神田に昨年オープンしたばかりのVホテルに若者の名前で予約を取りました。すべての作業はパソコン上で行うので、椅子から立ち上がることもありません。

 そして当日。夜遅く東京駅に到着した若者を無事ホテルまで届けなければなりません。ホテルに一番近い駅は地下鉄の神保町ですが、東京駅での地下鉄乗り換えは分かり難いので“中央線”で水道橋まで行くようにケータイにメールを送りました。

 ところが水道橋駅は確かに中央線が走っているけれど、そこに止まる電車は総武線の電車であることを思い出して、お茶の水での乗り換えを指令。

 複雑怪奇です!首都圏の鉄道網は。ともかくも無事水道橋に到着。  私はパソコンの画面に神田の詳細な地図を広げ、今度は電話で誘導。

 「マクドの角を右に曲がって、そうそう、100mぐらい先にみずほ銀行の看板が見えてる?」などと、あたかもその場にいるような調子でホテルまで道案内しました。

 こんなことをしていると、なんだか私も一緒に旅しているような不思議な感覚におそわれました。画面には地図だけでなく実写風景も映し出されるのでますますリアリティがあります。

 カーナビの人間版、すなわちヒューマン・ナビ。ただし、このナビ、人生の道案内は不得意です。

本誌:2007年6.25号 14ページ

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