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介護道

 週7日、1日24時間1人で介護をしていると、気ままに旅をしてきた自分の人生が何とラッキーなものだったかと、今さらのようにため息が出ます。

 しかし、息抜きもなしにずっと介護に忙殺されることは精神衛生上よくないので、母を病院に任せて先日の上海旅行に出掛けたのです。ところが帰国して母を迎えに行こうとしたら病院から電話があって、熱が出たので今日の退院は見合わせた方がいいとのこと、何だか想定外のストーリーになってしまいました。

 熱が出る、抗生剤を使う、熱が下がらないので抗生剤を変える、下痢が始まる…と悪循環に陥ってしまったのです。

 そして、当初の退院予定日から既に10日過ぎても症状は一向に改善せず、とうとう私の方が我慢できなくなってやや強引ながら母を自宅に連れ帰りました。

 私のヨミでは原因不明の下痢はきっとストレスによるものであろうから、自宅に帰ればウソのように快癒するに違いない、という甘いものでした。

 しかし、なかなか現実は厳しく胃に通した管から人工栄養物を注入すると決まって下痢。中年男にとって母のオムツ交換がどれほど大変であるかについては、フリーライターの野田明宏さんが山陽新聞に赤裸々な日記を公開しているとおりです。

 教訓:高齢者を病気でもないのに入院させることは、かなりリスキーな行為であるということ。こんなところにも危険なワナが仕掛けられていたなんて、介護道の前途は多難です。

本誌:2007年2.26号 16ページ

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