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2006年回顧

 今年のベストセラー1位は数学者、藤原正彦氏の「国家の品格」でした。

 ライブドアショックに始まり、秋田の幼児殺し、イジメ問題、必修科目未履修問題、市長や知事の汚職、談合による逮捕と年末まで暗いニュースが途切れることなく続きました。

 何よりも悲惨なのは、そうした事件に関わった当事者たちの少なからぬ人が自殺してしまったこと、2006年の世相は「品格」うんぬんのレベルではなく、「生きる、死ぬ、それが問題だ」(シェークスピア)という切羽詰まったものでした。

 介護生活5年目の我が家でも夏に母が桃を気管に詰まらせ生死の縁をさまよう事件がありました。

 詰まった桃を取り出してもらったのにも関わらず、容体が日に日に悪くなる一方の母について主治医に「いったい何が悪いのでしょう?」と質問したところ、「老衰、寿命です」とのお答えが。

 しかし、息子の私にしてみれば母にはまだ生命力が残っているという確信があり、思い切って地元の病院に転院させました。新しい主治医は次々と手を打ってくれ、母もそれに応えるように徐々に回復、年内に退院というところまでこぎつけました。

 最初の主治医の言葉に慌てた父がお盆休業中の表具師を拝み倒して貼り替えさせた真新しい障子や襖で母を自宅に迎えられることは存外の幸せです。

本誌:2006年12.18号 12ページ

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