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”本丸”建て替え

 厳しい借金財政にあえぐ財務省は、中央省庁の庁舎についても売却や再配置、高層化による有効活用の検討に乗り出すことになったそうです。

 とうとう本丸・財務省も戦時中に建てられた現在のビルを建て替える気になったようですが、果たして吉と出るか凶と出るか?

 他省庁の建物がそれなりに次々と近代的なビルに建て替わる中、財務省があの老朽化著しいビルで頑張ってきたのには2つの理由があったと私は勝手に想像しています。

 1つは、各省庁からの予算要求をばっさり切り捨てるのが仕事の役所としては、自らが奢侈なビルに移転しては示しがつかない。もう1つは、本社ビルを建て替えるとロクなことがないことを財務省の役人は本能的に知っているのではないか。

 つまり、企業生命がピークに達したころ、ますますの発展を期待して、手狭になった本社屋を建て替えたものの、その後は鳴かず飛ばずになることがよくあることを。

 まだ記憶に新しい山一証券の破綻は新社屋落成直後のことでした。大阪市中央区備後町のビジネス街で一際目につく、りそな銀行本店ビル、元は大和銀行がバブル時代に建て替えた超高層ビルですが、まもなく銀行は破綻しました。

 一方、大正11年以来本店を建て替えていない住友銀行(現三井住友銀行)はメガバンクとして生き残りました。

 財務省が霞ヶ関を睥睨する超高層ビルに入居するころ、日本という国が破産していないことを祈るばかりです。

本誌:2006年9.4号 12ページ

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