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イカナゴのクギ煮

 毎年3月の声を聞くと関西ローカルではイカナゴのクギ煮が決まって新聞やテレビで取り上げられます。私のところにも加古川の友人の奥さん手作りのクギ煮が2パック届きます。ひとつは私に、もうひとつは私の両親にという心遣いです。

 しかし、そもそもイカナゴとはいったい何という魚なのか?いやいや“イカナゴ”という名前そのものが「いかなる魚の子なりや」という由来を持つらしい。

 ちょっと調べてみると、何か他の大きな魚の子ではなく、れっきとしたスズキ目イカナゴ亜目イカナゴ科の魚で、成魚になっても20㎝ぐらい、名前はカマスゴとかカナギに変わります。

 さて、兵庫県播磨地方特産のクギ煮ですが、年々全国区化が進み今では大阪でも岡山でも、スーパーに「クギ煮コーナー」が出現し、生のイカナゴと専用の煮汁、ショウガがセットで販売されています。

 素人が作っても案外それらしきものが簡単にできるのもうれしいものですが、こうして瀬戸内海沿岸の諸都市にクギ煮ブームが拡大するにつれ、資源が枯渇しやしないかという心配も出てきました。

 クギ煮は確かにおいしい。ご飯との相性が抜群によく食がすすみます。でも瀬戸内海のイカナゴを人間が一網打尽に取り尽くすとイカナゴを餌にしているほかの魚も獲れなくなってしまいます。

 播磨名物はあくまで播磨名物としてそっとしておきたい、そんな気がします。

本誌:2006年3.20号 14ページ

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