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自然におまかせ

 今の時期、どこの家庭菜園でも大根や白菜のみずみずしい葉が茂り、通りすがりのものの目を楽しませてくれます。農家の畑や近所の家庭菜園では雑草が生えているのをほとんど見かけません。勤勉のたまものです。

 ところが私の畑は広すぎるせいもあって管理しきれず、雑草の中に野菜の畝が開かれているといった風情。では草地の部分は何の役にもたってないかというとそうでもなく、天然の苗床になっているのです。

 今日も雑草の中からレタスの幼苗を見つけ、移植ゴテで掘り取って畝に植え付けました。全部で60株、これだけあれば冬中食べられます。このレタス、30数年前にパリの種苗商で見かけ、パッケージの写真の美しさに心を動かされて買い求めたものです。

 毎年何株か残しておくのが開花し種をそこらじゅうに飛ばしていて、その種がいつのまにか発芽しているらしい。ほかにもキュウリ、トマト、小松菜、水菜、ハーブ類などが毎年かってに生えてきます。

 こうした野菜はいわゆる固定種であって、現在の主流であるF1品種(一代雑種)ではありません。何百年と生きてきた生命力のある野菜は人間の力を借りなくても、条件さえ良ければ雑草の間から芽を出して育っていくようです。

 除草剤や農薬を使わないこの畑はまた小動物の天国。昆虫類、ミミズ、モグラ、カエル、ヘビ、小魚、ザリガニなどが棲みつき、それらを狙ってアオサギが訪れます。
  
 自然の力におまかせし、手入れらしい手入れをしない私の畑ですが、ちゃんと親子で食べるだけの滋味豊かな野菜を育ててくれます。なんともありがたい畑です。

本誌:2004年11.11号 14ページ

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