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母の同窓会

 80歳代半ばの母あてに今年も女子師範学校時代の友人から同窓会の案内状が届きました。さすがに80歳を過ぎるころから年を追ってメンバーが減り続け、とうとう今年の案内状には、「今回が最後になりそうです」と書かれていました。

 ふだん寝たきりに近い母を岡山の料亭まで連れて行くのはなかなか大変ですが、母にとって青春時代の友人に再会することはどんなに楽しみなことであろうかと思われ、毎年無理しつつも出席をうながしています。

 今年の参加者はわずか6名でしたが、皆さん、まさに矍鑠(かくしゃく)という言葉がぴったりのスーパーおばあちゃんたち。「毎朝、ラジオ体操をしているが、どうも跳躍だけうまくできない」とか、「この冬、舳倉島(へぐらじま、石川県輪島沖合)へ行ったけど生まれて初めて船酔いした」、などと盛り上がっていました。つい数年前まではるばる群馬から車をとばして同窓会にかけつけてくるおばあさんもいました。

 一見弱々しい私の母も年明けそうそう卵巣膿腫摘出という大手術を受けましたが、若い人でも2週間は入院するところを驚異の回復力を見せ、10日で退院しました。

 大正生まれの人は特別強いのか、教師というキャリアを通して心身が強固に鍛えられたせいなのか、みんなあと50年は生きてやるぞ、といった顔つきです。

 そういえば母は入院中、見舞いにきてくれた昔の同僚の先生に、「これで私も子供が産めない体になってしまった」と嘆いてみせたそうです。

 自分が年取ったことすら忘れてしまうとき、人の命は永遠のものになるのでしょうね。(康)

本誌:2004年6.1号 16ページ

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