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大根による気象予測

 自然界の小動物が来るべき冬の厳しさ、積雪の度合いを前もって感知してそれなりの越冬対策をとることはよく知られています。カマキリが木の枝の高い位置に卵を産みつけた年は雪が深くなるそうです。昆虫の超能力にも感心させられますが、植物だって負けていません。

 野菜をなるべく自然の状態で育てていたら植物も昆虫同様、気象を予知する能力があるのではないかと思うことがあります。私の野菜畑でこんなことを発見しました。大根が首を地上にしっかり出している年は暖冬、逆に土の中にしっかりもぐっている年は厳冬になるという法則。

 今年の大根は葉は勢いよく育っていますが、例年になく根の部分が短いのです。秋の初め晴天が続き、一方晩秋になっても気温は生暖かくこの季節には珍しい大雨がよく降ります。冷たい雨がぱらぱらっと降る晩秋の時雨とは大違いです。大根たちは生育初期の10月にすでに多雨による地下水位の上昇を予測していたのかもしれません。水がたっぷりあるのに根を深く伸ばしたら酸欠による根腐れを起こしてしまいますから。

 イラクでは日本大使館員が2人殺害されるという衝撃的なニュースが流れています。国内では足利銀行が突然破綻処理に入りました。関東で必ず起きるといわれている大地震もそれがいつなのか、だれにも答えられません。人間にも昆虫や私の大根のようにせめて3カ月先を予測する能力があったらどれほどすばらしいことかと、野菜畑で考え込んでしまいます。(康)

本誌:2004年1.21号 15ページ

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