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巻頭特集[税理士記念日特集] インタビュー 中国税理士会岡山県支部連合会会長 冨山敬介氏

IT化で納税者の利便性向上 中小企業の課題解決を支援

 中国地区で活動する税理士を指導、連絡、監督する中国税理士会。その中の組織で県下12支部を統括する岡山県支部連合会の冨山敬介会長に、県下税理士業界の現状、重点活動、中小企業支援の取り組みなどを聞いた。

■県下税理士の現状は。

 2023年4月から税理士試験の受験資格要件が緩和されたこともあり、1月末時点の税理士数は782人と増加傾向で、複数の税理士が在籍する税理士法人数も90社と年々増えています。一方で、県北など地方の税理士数は減少傾向にあり、地域格差がでないよう情報共有強化に努めています。

■重点的に取り組んでいること。

 IT化による納税義務者の利便性向上が進む中、税理士のITリテラシーを高めようと昨年7月に「『税理士の業務』のデジタルフォーラムin岡山」を開き、会計ソフトをはじめ、パソコン作業を自動化する「RPA」やコミュニケーションツールでの業務効率化など最新技術を会員に発信しました。

 広島国税局管内は、e-Taxによる電子申告の割合が全国平均よりも高く、IT化に積極的な地域と言えます。申告書提出後に預貯金口座から国税を電子納税する「ダイレクト納付」などのキャッシュレス納付も推進していきます。

■税制改正への取り組みは。

 令和7年度税制改正大綱では、個人所得課税の複雑化が見られました。公正、中立で事務負担の少ない簡素な税制となるよう、岡山県内からも意見を募り、「税制改正建議書」として日本税理士会連合会から国に提言していきます。

■地域貢献や中小企業支援で注力していること。

 税の正しい知識や役割を伝える租税教育に力を入れており、大学や高校での租税教室などを実施しています。成年後見は、相続の申告にかかる周辺業務として支援事業として取り組んでいます。

 中小企業支援では、金融機関などと連携し、資金調達のほか、創業、事業承継など支援体制を強化しています。認定支援機関として事業計画策定支援などさまざまな経営課題の解決にも取り組みます。

 懸念されたインボイス制度や電子帳簿保存法は大きなトラブルなく徐々に定着してきました。これからも身近な相談相手として中小企業に寄り添っていきます。

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本誌:2025年2月17日号 2ページ

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