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連載記事社説

自分自身に嘘をつかない

 元タレントの中居正広氏と女性とのトラブルをめぐる報道で、週刊文春が記事を訂正したことが波紋を呼んでいる。当初「フジテレビの幹部に誘われた」と報じていたところを、「中居氏に誘われた」と電子版で訂正したもので、「記事の根幹部分の訂正」として、事態はさらに複雑な様相を呈しつつある。

 コトの真相はやぶの中だが、マスコミに身を置く1人としては、この問題は別の面から興味深い。もちろん「文春はどのように裏取りしていたのか」ということ。最近、ネット界隈では、自分で取材することなく伝聞情報で執筆する記事を「こたつ記事」とやゆされるが、人手不足を隠れ蓑に、本来は記者として最も大切であるはずの裏取り作業が形骸化しては本末転倒であり、ある意味、すべてのマスコミ関係者への問い掛けのように感じられるのだ。

 文章とは恐ろしいもので、言葉のチョイスや言い回し、言葉の並びなどで、同じことを伝えるつもりでも、受け取るニュアンスはまったく異なることがある。

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本誌:2025年2月17日号 25ページ

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