WEB VISION OKAYAMA

連載記事山田響子の魅力を引き出すコミュニケーション術

「手が届きそうで届かない距離」の目標

 新しい年を迎え、お仕事の上でも、プライベートでも、目標を持たれている方が多いのではないでしょうか。アドラー心理学には、「人間の行動はすべて目的に向かう」という考え方があります。私たちは日々、何かしらの目標に向かって歩みを進めています。それが小さな日常的なタスクであれ、長期的な人生のビジョンであれ、目標は私たちの行動を導く羅針盤のようなものです。けれども、その目標が「自分にとって適切なものであるかどうか」を考えたことはあるでしょうか。今回は、目標を持つことの大切さと、目標が大きすぎるときの落とし穴、そして適切な目標の立て方についてお話ししたいと思います。

 アドラー心理学では「勇気」という言葉が大きな意味を持っています。アドラー心理学の勇気とは、困難や挑戦を恐れずに乗り越えようとする力です。そして、その勇気を引き出す原動力こそが「目標」です。たとえば、仕事でプレゼンを成功させたいという目標があるとき、多少の不安やプレッシャーがあっても、そこに向かって努力する勇気が湧いてきます。「やり遂げたい」「成長したい」という思いが、行動を促してくれるのです。しかし、目標があまりにも大きすぎる場合、その目標は勇気を与えるどころか、逆に勇気を挫いてしまうことがあります。

 「目標を大きく持て」と耳にしたことがあるかもしれません。もちろん、大きな目標が私たちを奮い立たせることもあります。しかし、現実とかけ離れた目標を設定すると、それはやがて「叶わない夢」に変わり、やる気を失わせる原因にもなりかねません。

会員申し込みはこちらから

本誌:2025年1月20日号 19ページ

PAGETOP