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連載記事社説

政治と国民の間に横たわる意識のずれ

 衆議院総選挙は与党過半数割れという結果に終わり、連立の組み換えや少数与党、さらに一時は政権交代の可能性まで取りざたされた。いずれにせよ、今後の政局は混乱が避けられそうにない状況だ。

 選挙結果について論評する気はないが、今回の選挙戦では、自民党の政治資金パーティーの不記載をめぐり野党は「裏金」批判のオンパレード。選挙期間を通じ、本格的な政策論争はほとんど聞くことがなかったのは、一人の有権者として残念だった。

 仮に少数与党による政権運営となると、個々の政策について政党ごとに協力を求める作業が生じ、政治のスピードは圧倒的に失われる。一方で、これまでブラックボックスだった政策立案の過程が国民に可視化されるのであればマイナス面ばかりでもなく、日本に新たな政治が根付く一歩となるかもしれない。特に岸田政権以降、重要法案にもかかわらず、トップリーダーが国民に直接説明する機会が少なくなっており、今後議論される予定の防衛増税や年収103万円の壁撤廃、ガソリン税の上乗せ部分の課税を停止する「トリガー条項」の凍結解除などをめぐり、その政策がなぜ必要なのか明らかにされるのであれば、大いに歓迎したい。

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本誌:2024年11月18日号 29ページ

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