- ホーム
- VISION OKAYAMA 2024年9月2日号
- 国富論を読む10~労働の賃金~
連載記事杉山慎策の経営学考察
国富論を読む10~労働の賃金~
土地が地主により占有されていないで、資本の蓄積もない原始的状態における労働の自然な報酬は労働によって得られる生産物である。この状態が続けば、分業により徐々に生産性が向上し、労働の対価は上昇する。
時代が進み、土地所有が生まれ、資本を蓄積した資本家が生まれると多くの場合労働の報酬である賃金は労働者と雇い主の契約により決まる。しかし、この両者の利害は相反する。労働者は団結してより高い報酬を求めて資本家と交渉する。蓄積のない労働者は過激な行動に走り勝ちであり、通常労働争議の戦いの結末は資本家に有利な形で終焉する。
労働の報酬である賃金は労働者が再生産される必要があり、労働者自身が生きていくだけのレベルより高い賃金が必要となる。子供の致死率が50%に近い当時、再生産に必要な2人の子供を育てるには4人の子供を必要とする。このレベルの出生率が維持できないと結局労働者が減少することになり、これは必然的に賃金の高騰を生み出す。令和の現在少子高齢化に苦しむ日本経済は急激な労働人口の減少状況にあり、最低賃金は国が定めるまでもなく必然的に高騰する。
スミスの生きていた時代、独立したばかりのアメリカよりイギリスの賃金は高かった。しかし、アメリカは急成長しており、人口も急速に増えている。収入と資本が増え、人口が増えている状態にあり、アメリカの国富は増えている。国富の増大に伴い、賃金も国富の増加に比例して高まる。逆に、ベンガルのようなイギリスの植民地では労働者の賃金が低く、餓死者も出ているようなケースもある。
- 【わが社の将来ビジョン ㈱NICS 山根 慎一郎氏】技術力高め「大いなる下請け」目指す 上場でブランド力向上 地域・業界けん引する
- 【岡山県信用保証協会】金融機関招き勉強会 ゼロゼロ融資返済へ連携
- 【岡山マツダ】野田ユーカーランド全面改装 展示車両数を120台に倍増
- 【日本公庫、TKC】小規模事業者向け経営塾創設 強みを生かし伴走型支援
- 【アクセシビリティ最前線 マネタイズが切り開く未来】放送業界も注目「放送文化基金賞受賞」
- 【はるやま ホールディングス】クレドと青江本店に本社分散移転
- 【髙谷前岡山市長死去】政令市移行や行財政改革尽力
- 【中島博ナカシマHD会長が死去】地域経済の振興に貢献
- 【下電観光バス】興除車庫で交通安全教室 親子が大型バスの特性学ぶ
- 【岡山県信用保証協会】会長に横田前副知事
- 【岡山電気軌道】テラス席を有効活用 ミュージアムでビール
- 【岡山商科大学】岡山JCと包括協定 人材育成と地域振興で協力
- 【岡山東税務署長 平野教義氏】各署と連携し広域化に対応 税務行政のデジタル化推進
- 【岡山西税務署長 田中薫氏】社会の変化に対応した行政 合理化で本来の業務に集中