2019年11月、カナダのいとこたち総勢6人がクルーズ船ダンヤモンドプリンセス号に乗って山陰の境港にやってきたことがあります（その一つ後の同船のクルーズでコロナが発生）。そのときのご一行様の中にジムという従兄がいました。実はカナダへは私の父の兄、姉が移民しており、伯父夫婦は8人の子を、伯母夫婦は1人の子どもをもうけました。ジムは伯母の一人っ子です。

　ジムは太平洋戦争のさなか、バンクーバー近くの町で生まれましたが、敵性国民の子どもということで迫害され、ろくな勉強の機会にも恵まれず育ちました。多くの日本移民子弟同様、戦後の混乱期の中を伯父の8人の子どもたちと助け合いながら過ごして成長したとのことです。

　ジムは生涯独身で日本クルーズのあとわずか半年もしないうちに老衰で亡くなりました。遺品整理は伯父の子どもたちが手分けして行い、墓地にはジムの真新しいお墓がありました。今回の訪問中、従姉の娘レスリーが私に思いがけないことを言い出し、それは今回のカナダ訪問の最大の成果になりました。ミッシングリンクの発見ともいうべきことです。

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