WEB VISION OKAYAMA

連載記事スローライフ~午後4時の窓辺から~

またぞろ大学での英語公用語論

 2月になって2回も東西の大学で「9月新学期制、英語公用語化」を予定しているとのニュースを聞きました。ひとつは大阪府と大阪市が経営母体となっている大阪公立大学であり、もうひとつは東京大学です。“大阪公立大学”って、そんな大学あるの?と思われる方もいらっしゃるでしょう。2022年、かつての名門大学、大阪市立大学と大阪府立大学が合併して誕生した国内最大の公立大学です。

 大阪のこの2つの大学は私も個人的に因縁がありました。早大を卒業した後、私は大阪府立大学図書館に奉職し、同時に大阪市立大学文学部に学士入学して、昼は大学で働き、夜は眠い目をこすりながら勉強をした思い出の学舎(まなびや)です。その両名門大学が長い伝統を捨てて陳腐な名前の新大学になっただけでも卒業生としては残念。“改革”はそれだけにとどまらず、今度は吉村知事の辺りから出たらしい「9月新学期制に移行し、英語を学内の公用語とする」という案が報じられびっくり仰天です。

 私は大阪公立大学のこの方針を耳にしたとき、功をあせった知事と学長が手をつないでトップダウンで物事を決めていっているのではないか、まるで楽天の三木谷社長が2012年に始めた「英語社内公用語化」の愚作の大学版かと思いました。

会員申し込みはこちらから

本誌:2024年3月4日号 12ページ

PAGETOP