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連載記事スローライフ~午後4時の窓辺から~

国宝 舟橋蒔絵硯箱が公開展示中

 東京上野の国立博物館にて開催中の特別展「本阿弥光悦の大宇宙」を見てきました。光悦といえば刀剣の鑑定を家業とする家系の中でも突出した人物として美術史において燦然とその名が輝いている芸術家、しかしこの江戸時代初期の天才の広大な「宇宙」についてこれまで私はほとんど知りませんでした。

 博物館で配布されているパンフレットによると、「漆」、「刀」だけでなく「書」、「陶」、「信」の分野においてもまさに「大宇宙」ともいえる深淵な美意識を作品にとどめた人、日本のレオナルド・ダ・ヴィンチのような人だったのではないかと思います。展覧会会場にはそうした光悦の代表作がまんべんなく展示されていますが、「書」は達筆過ぎて読めません。素通りです。

 それに反し茶碗や硯箱などの作品は圧巻でした。とりわけ光悦の業績の頂点とされる国宝の「舟橋蒔絵硯箱」は写真では見たことがあるものの、実物を間近に見ることができたのは思いがけない幸せでした。パンフレットには「独特のフォルムと素材の質感、文学世界と書が織りなすイメージの連環」とあります。(さすがに専門家は表現がうまい!)

 そして会場には舟橋蒔絵硯箱だけでなく数多くの硯箱が展示されていました。

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本誌:2024年2月19日号 21ページ

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