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連載記事社説

「共感」生む社会課題解決の視点

 岡山県事業承継・引継ぎ支援センターの仲介で、竹水を使った化粧品開発・販売の㈱バウンスバック(倉敷市)が、倉敷市船穂町の食料品小売業者の経営を承継した。亀鷹皓平社長は32歳の若者。畑違いの業種で、成長性という点では必ずしも大きな期待はできそうにない地方の商店のどこに魅力を感じたのか、半信半疑の思いで取材に向かったのだが、実際に話を聞いてみると、二回り以上若い亀鷹氏の考え方、事業との向き合い方に感心させられた。

 亀鷹氏は学生時代から「相互扶助」に興味を持ち、大学卒業後には紛争の続くソマリアなどで若者が武器を置き、人生をやり直すことのできる環境づくりに取り組むNPO法人の活動に従事。西日本豪雨災害後には地域おこし協力隊として地元・倉敷に戻り、現在の事業テーマは真備の「放置竹林」対策と、一貫して社会課題解決がキーワード。地元商工会から承継を打診されると、高齢者の多い地域にあって「よろずや」的存在の店舗の役割を理解し、「多少無理をしてでも何とかしたい」と受け止めたのは、ある意味「必然」とも言える帰結だった。

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本誌:2023年7月10日号 25ページ

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