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連載記事山田響子の魅力を引き出すコミュニケーショ

思考の癖を改善する

 5月に入りました。春に新しい人間関係がスタートした方も、その関係性に落ち着きを見せる頃になっているかもしれません。その一方で長い休みを経験した後など、その新しい関係性がストレスや憂鬱の原因になっていると感じている方も多いことでしょう。

 アドラー心理学の生みの親である、アルフレッド・アドラーは人の悩みの9割は対人関係だと言いました。納得する方も多いかもしれません。仕事の悩み家庭の悩み恋愛関係の悩み、それらの悩みの奥には人との関係が潜んでいます。落ち込みがちだったり悩みがちだったりする方は、本来はとても気遣いができる優しい方です。人が気に留めないことを汲み取ってあげることができたり、自分が改めるべき原因となるポイントを探そうとする力が強いのです。それがプラスに働くと気遣いになり、反省したり改善する力につながります。しかし、何事も表裏一体です。気にしすぎて疲れてしまったり、自分を責めることで自己肯定感を傷つけてしまったりします。

 もしそんなタイプの方が身近にいたら、さらには部下や後輩であれば何とかしてあげたいと思うこともあるでしょう。そんな方に、「気にしすぎだから気にしなくてもいいよ」と、アドバイスをしたとしても、気にしないようにしよう!という決意はそう長続きはしません。なぜなら長く使っている思考の癖というのは、一瞬決意しただけでは簡単には修正されないからです。

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本誌:2023年5月22日号 15ページ

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