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連載記事山田響子の魅力を引き出すコミュニケーション術

あいまいな指示では伝わらない「ゴール」

 部下や後輩を持つ皆様。あなたの指示は具体的ですか?勇気づけの心理学と呼ばれるアドラー心理学は、教育や子育ての現場で多く活用されておりましたがいまビジネスの現場でも積極的に活用されようとしています。とにかくやるしかない!あきらめずにやりきれ!といった精神論や、これができなかったら昇進はあきらめてもらう、これができたら念願の部署への異動を口利きしてやる、といった賞罰による指導の弊害がだれの目にも隠しきれなくなってきたからではないでしょうか。

 特に、叱責が中心の恐怖によるマネジメントは、弊害が明らかになってきているようです。中には、「ダメな時は叱らなければ分からないでしょう」と、言い切る上司もいらっしゃいます。しかし、叱責によるマネジメントは「怒られないようにやる」という結果を生み、自分の判断で失敗して叱責されるよりも、あの人に指示されたからやったと、言い逃れできる状況を望むので指示待ち人間になってしまいがちです。また、怒られないようにミスや失敗を隠蔽する体質も生まれてしまいます。

 さらに難しい問題のひとつには、上司からは見えているゴールの設定が、指示が曖昧なばかりに伝わらないということです。上司は伝えた「つもり」なのだから、上司の側に改善ポイントがあることが気づかれにくいのです。だから上司や指導者は伝える指示や目指すべき目標を「グ・タ・イ・テ・キ」にしなければいけません。

 では、具体的とはどういうことなのかという点を私のアドラー心理学の師である岩井俊憲氏の言葉を借りて「グ・タ・イ・テ・キ」という5つのポイントにして解説させていただきます。

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本誌:2022年8月22日号 20ページ

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