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連載記事スローライフ~午後4時の窓辺から~

老女医の神業

 子ども時代に副鼻腔炎(いわゆる蓄膿)になり手術を受けたことがあります。そのときの恐怖の体験は今でも鮮明です。現代では鼻の穴からファイバースコープを突っ込み、手術も昔とは比較にならないくらい楽なものになっているそうです。しかし今でも鼻の病気は怖いものです。

 今年になってときおり日和見的に原因不明の発熱があったり、顔がむくんだり、歯痛まであります。真新しい耳鼻科クリニックやいきつけの歯医者さん、大学病院の口腔外科などあちこち受診して判明した病名はまぎれもない重い副鼻腔炎でした。頭部CT画像には鼻の右側の空洞(上顎洞)いっぱいに膿汁が貯まっている様子の白い影が写っています。

 原因はどうやら虫歯の根っこが上顎洞まで突き抜けてそこでひどい感染を起こしているとのことでした。でも、大学病院でもクリニックでも薬を処方されただけで、上顎洞に溜まった膿を排除する処置はしてくれません。というのも上顎洞の開口部は狭く屈曲しているので器具が容易に入らないらしい。現代の標準的な治療法といえば根気よく半年も抗生剤を服用してやっとみたいです。

 もっと手っ取り早く膿を出す方法はないのか?

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本誌:2022年3月28日号 16ページ

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