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連載記事スローライフ~午後4時の窓辺から~

Beijing 2022

 半年前の真夏、東京でオリンピックがあったばかりなのに、今また厳冬の北京で冬季オリンピックが開催されテレビ観戦に忙しい毎日です。コロナ禍での大会なので選手を始めスタッフは東京よりもいっそう厳重なバブルに閉じこめられ、ひたすら競技のシーンだけがテレビ中継されてきます。ひどく無機質な競技大会という印象は否めません。

 競技以外の情報、例えば北京市民の反応や生の声、選手村での各国選手の交流の様子などの映像が国外に流れたら、その中に中国政府にとって不都合な真実も映り込む危険があるのでしょう。いま現在の北京の息吹が伝わってこない競技大会とは?これでは何のために中国で開催しているのか、という気がします。

 それはともかく、一瞬の技を競う競技の結果はまさに悲喜こもごも。ジャンプ混合団体の高梨沙羅はまさかのスーツの規定違反でせっかくのすばらしいジャンプが無効になりました。自身のインスタグラムでは真っ黒な画像を掲載し、「私のせいでみんなの人生を変えてしまった」と謝罪していました。それに対し何万もの人から高梨選手を励ますコメントが寄せられていましたが、うら若い女性に「みんなの人生を変えてしまった」とまで言わしめる団体競技というものは残酷なものですね。

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本誌:2022年2月21日号 18ページ

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