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連載記事スローライフ~午後4時の窓辺から~

入院に対するカナダとの温度差

 還暦を過ぎたころから定期的に大腸の検査を受けています。検査時にポリープが発見され、その場で内視鏡で切除した場合、経過観察のために1泊の入院を求められるのが標準的なやり方のようです。万一の出血などを想定してのことだと思いますが、欧米では病院で出産しても問題がなければそのまま帰宅させるのに比べ、日本は軽微な手術に対しても過度に慎重だという気がします。

 今年の5月、カナダ在住の従姉妹キャスリーンから思いがけない話を聞きました。実は2月ごろ右の乳房にしこりがあるのに気付き、検査を受けたらDCIS(非浸潤性乳管がん)だと判明した、ステージ的には極早期ではあるけれど、憂いを残す部分切除や術後の放射線、化学療法は望まないので、右の乳房を全切除することにした、との重い内容でした。

 手術予定日の6月1日が過ぎ、もちろんキャスリーン本人は術後の回復のため病院で過ごしているはずで連絡はありません。1週間してもほかの従姉妹たちからも連絡がないのでひょっとして経過が悪いのかも知れないと思い、キャスリーンの姉のヨリコに国際電話をかけてみました。

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本誌:2021年6月28日号 12ページ

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