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連載記事山田響子の魅力を引き出すコミュニケーション術

Zoom疲れを防止するために

 自粛ムードが高まり始めた頃は、桜の花を見上げてお花見ができないことを残念がっていました。季節は巡り日差しからは、初夏のような眩しさを感じます。安倍首相が「今後2週間の大規模イベントの中止や延期」を要請したのが2月26日のこと。翌27日には全国すべての小中高、特別支援学校を対象に臨時休校を要請しました。国民全体での自粛はもう3カ月が経過しようとしています。

 この期間、最も変化したものはオンライン化ではないでしょうか?テレワークはもちろんセミナーやイベント、様々なミーティング、さらには飲み会までもがオンラインで行われるようになりました。私も気がつけば数日続けて、6時間以上(長い日には10時間程度)Zoom画面に向き合っている日々が続いていました。

 そんな日常が5日ほど続いた頃、自分が明らかに疲れていると自覚するようになりました。連続した終日研修に登壇することも、受講することも常だったのに、異様に疲れていると自覚するようになったのです。いわゆるZoom疲れという現象です。

 4月23日付ウォールストリート・ジャーナル紙によると、オンラインミーティングは脳への負担となっているといいます。まず、「コミュニケーションにおいて重要なsocial cues(社会的手がかり)や相手の表情・身ぶりなどを、オンライン上で読み取ることは難しい」というのです。皆さんも身に覚えがないでしょうか?オンラインミーティングなどで発言した際に、画面に映し出される参加者の「反応がない」「どう思っているか分かりにくい」という状況に。特に対面で行なっていた講座をオンラインに切り替えた講師業の皆さんは、同じ内容を同じように伝えても、受講生の反応の薄さに伝わっているのかどうか不安になり焦ってしまった方も多いと思います。

 加えて同紙には「さらに、your interlocutor(会話の相手)の顔と自分の顔を同時に見られるということが認識能力の負担になっているということも、疲れの原因になりがちだ」ともあります。目の前の画面に常に自分が映し出されている、常にカメラが自分に向けられているという状況は芸能人でもない限りこれまで経験したことのない状況でしょう。ストレスを感じてしまうのも仕方ないことです。

 Zoom疲れを防止するために、年間150回以上はオンライン講座を主催している私が施している工夫をお伝えいたします。まず、Zoomには便利な「反応」という機能があります。「ここまで大丈夫ですか?」「ご理解いただけましたか?」「ご質問はありませんか?」など話し手から問いを投げ掛けるシーンは、よくあるシーンだと思われます。実はモニター画面を通じるとリアクションは3割程度薄まって伝わるという特性があります。グルメリポーターのタレントさんが「おいしい〜!!」とリアクションしていますが、実はリポート現場ではあの3割増でトークしているのです。

 こちら側に伝わるほど大きなリアクションを取ってもらう、ということは聞き手を疲れさせることになってしまいます。ですので、Zoomに備わっている「反応」という機能を使います。いいね!というマークは「大丈夫です」という時に、拍手のマークは「よく分かりました」という時に使ってください、とオンラインミーティングの始まりに伝えることで場を和ませるアイスブレイクの機能も併せ持つことができます。

 また、ウェブカメラが向けられ、目の前の画面に自分が映し出されているということもストレスになります。実際の会議では自分が発言していないときは、自分に注目されているという認識はないものです。その状況に近づくよう、場面に応じてカメラのオンオフを細やかにすることもおすすめしています。ミーティングの始まりにはカメラはオンで全員の顔を見る、そのあと画面共有が始まり誰かの発言が始まったら各自のカメラはオフにしてもいい。意見交換の時間になったらまたカメラをオンにする、など小さな工夫で随分と体への負担が軽くなります。

本誌:2020年6月8日号 17ページ

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