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連載記事岡山消費者動向分析

サブスクリプション

 新型コロナウイルスのために行動自粛が求められ、多くの学校も閉鎖が続いている。その中で遠隔授業なども展開され、遅まきながら日本もICT化の大きな変化の波にもまれようとしている。今回はその中のサブスクリプションである。

 IT用語辞典によれば、サブスクリプションとは、「会員制のサービスや機器の保守契約などについて、一定期間の利用権を購入することをサブスクリプションという。また、サービスへの課金方式として、一回あたりいくらという都度課金と対比して、契約期間中は利用し放題の定額課金のことをサブスクリプションということもある。」
と定義されている。

 津山市に森本家という名家がある。1632年にカンボジアのアンコールワットに墨書を残した森本右近太夫の子孫である。津山で森家・松平両家に仕えた「錦屋」という豪商であった。多くの家宝が残されている。筆者が驚いたのは「蚊帳」である。実は江戸時代も多くの人が「蚊」に悩まされていた。「蚊帳」は庶民には高すぎたので、庶民は「錦屋」から「蚊帳」を借りて(サブスクライブ)して、秋になると返却した。正に、サブスクリプションそのものである。

 今日では特にエンターテインメント業界でサブスクリプションが広がっている。アマゾンプライム、ネットフリックス、WOWOWなどである。今後車など多くの分野に広がると予測されている。今回はこのサブスクリプションについて岡山と全国の意識の違いについてである。

 利用しているサブスクリプション・サービスで最も多かったのは、「動画定額配信サービス」で、岡山64.2%、全国79.2%であった。次いで、「音楽定額配信サービス」岡山34.6%、全国44.8%。続いて、「電子書籍・雑誌・コミック定額配信サービス」岡山30.7%、全国28.3%となる。岡山・全国で利用されているサービスの順位は同様の傾向を示しているが、その利用率は岡山より全国のほうが高い項目が多い。

 利用しているサブスクリプション・サービス数について、岡山では「1つ」が70.9%を占め、全国48.3%であり、22.6ポイントの差がついている。「2つ」以上で比較すると、岡山では29.1ポイント、全国では51.7ポイントで約22ポイントの差がついている。岡山は全国に比べると複数のサービスを利用する人は少ない。

 ひと月あたりの支払金額について、「1,000円以下(1円~1,000円以下)」が岡山48.0%、全国43.3%でそれぞれ最多である。次いで多かったのは、岡山では「無料(お試し期間内)」23.5%、全国7.7%。なお、全国で2番目に多かったのは「2,000円以下(1,001円~2,000円以下)」22.5%に対し、岡山は11.2%であった。全国に比べて岡山では無料での利用が多い。ここでも岡山人の強かさが垣間見える。

 サブスクリプション・サービスの利用理由について、もっとも多いのは「安価に利用できる」(岡山47.5%、全国56.5%)。次いで「多くの商品・サービスを利用できる」(岡山41.9%、全国57.3%)で岡山・全国ともに5割前後を占める。岡山・全国で最も差がついた項目は、「手ごろな価格で高額なサービス等を利用できる」で、岡山7.3%に対して全国は26.2%だった。高額なサービスに対する利用意識は岡山では低い。

 利用中のサービスを知ったきっかけについて、もっとも多かったのは「サブスクリプション・サービス事業者のホームページ」で、岡山は35.8%、全国は51.5%である。次いで「Webサイト上の広告」(岡山30.2%、全国31.2%)、「家族、友人・知人からの紹介」(岡山20.7%、全国18.3%)と続く。各項目の順位は岡山・全国で同じ傾向であるが、「SNSやブログの記事」、「テレビCM、新聞・雑誌の広告」、「SNS上の広告」、「クチコミサイト」などで全国の方がそれぞれわずかに上回っており、全国の方が若干情報源に多様性が感じられる。

 今後利用してみたいサービスの種類について、「動画定額配信サービス」が最も多く、岡山は45.8%、全国76.3%。次いで「音楽定額配信サービス」について、岡山28.5%、全国50.0%であった。岡山ではサービスの利用に関心はあるものの、全国と比べてサブスクリプションの利用意向は依然として低い。

 申込時に確認した点について、もっとも多いのは「価格、割引条件」が岡山84.9%、全国76.0%であった。次いで「支払方法」(岡山48.0%、全国52.3%)、「支払い条件」(岡山34.6%、全国46.0%)が続く。岡山・全国でポイントの差が大きい項目は、「事業者名」(岡山19.6%、全国40.4%)、「事業者のクチコミ、評判」(岡山14.0%、全国33.1%)が挙げられる。事業者に対して、全国の方がよりシビアにチェックしている感が窺える。

 サービス利用で困った点について、もっとも多かったのは「使い切れなかった/あまり利用できなかった」が岡山27.4%、全国26.9%であった。次いで多かったのは、「別料金が必要なもの、利用できないもの等があった」(岡山15.6%、全国16.5%)、「自分にあった商品やサービスがあまり提供されなかった」(岡山11.7%、全国17.3 %)。一方で、「特にない」と答えた人は岡山43.0%、全国38.7%。

 これからこのビジネスモデルは大きく進化する。ラーメンの食べ放題というようなサブスクリプションモデルもある。岡山から世界を席巻するビジネスモデルが生まれることを期待したい。

本誌:2020年6月8日号 6ページ

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