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連載記事賢い補助金の活用法

事業承継補助金

  • 木下寛子氏
  • バレエ教室を承継した山本文代表

 よろず支援拠点とVISION岡山のコラボ連載企画「賢い補助金の活用法」。今回は事業承継補助金を取り上げます。後継者不在など事業承継問題を抱える中小企業者らに取り組みを促し、事業の継続と雇用の場確保を実現するための補助金です。

 「事業承継補助金」は、後継者不在等により、事業継続が困難になることが見込まれている中小企業者等が、経営者の交代や、事業再編・事業統合を契機とした経営革新等を行う場合に、その取組に要する経費の一部を補助することにより、中小企業者等の世代交代を通じた我が国経済の活性化を図ることを目的とします。

 ●対象者:補助対象者は、以下の1~7の要件を満たし、かつ「事業承継の要件」を満たす中小企業、個人事業主、特定非営利活動法人(以下、「中小企業者等」という)であること。
 1.日本国内に拠点もしくは居住地を置き、日本国内で事業を営む者であること。

 2.地域経済に貢献している中小企業者等であること。地域の雇用の維持、創出や地域の強みである技術、特産品で地域を支えるなど、地域経済に貢献している中小企業者等 であること。

 3.補助対象者又はその法人の役員が、暴力団等の反社会的勢力でないこと。反社会勢力との関係を有しないこと。また、反社会的勢力から出資等の資金提供を受けている場合も対象外とする。

 4.補助対象者は、法令順守上の問題を抱えている中小企業者等でないこと。

 5.補助対象者は、経済産業省から補助金指定停止措置または指名停止措置が講じられていない中小企業者等であること。

 6.補助対象事業に係る全ての情報について、事務局から国に報告された後、統計的な処理等をされて匿名性を確保しつつ公表される場合があることについて同意すること。

 7.事務局が求める補助事業に係る調査やアンケート等に協力できること。

 ●補助率:小規模事業者、従業員数が小規模事業者と同じ規模の事業主=2/3以内▽補助金の範囲:100万~200万円▽上乗せ額:300万円以内(補助上限額合計500万円)
 小規模事業者以外=1/2以内▽補助金の範囲:100万~150万円▽上乗せ額:225万円(同375万円)

 ●詳細:事業承継補助金事務局(https://www.shokei-hojo.jp/applicant/subsidized.html)

 事業承継補助金を活用した支援事例

 Aya Ballet Studio(アヤバレエスタジオ、倉敷市日の出町1-5-3、山本文代表)

 課題 少子化に伴うバレエ市場の縮小と2018年の西日本豪雨災害による被害、また経営者の高齢化の課題を抱えている中、同社で長年勤務をしていた講師への事業承継について相談したい。

 まず、現在の被承継者の顧客及びサービスについての課題事項の分析を開始。相談者、被承継者とともに少子化に伴うバレエ市場の縮小と豪雨災害、後継者不在や慢性赤字の原因などについて話し合った。

 教室ごとの損益計算書や損益分岐点などの分析しながら、慢性赤字を抱える営業所を洗い出し、営業所の統合、直近の数年間で財務改善を進めていった。売上高は減少したが収益確保と既存生徒の確保にメドがついたことで、一気に交渉が進んだ。

 承継者と被承継者両者の信頼関係は築かれていたが、既存生徒に対して、経営者が代わることで生じる可能性のある顧客側の不安要素を洗い出し、一つずつ課題と解決策に関して、助言を行った。

 相談者が最初に来訪した際には、生徒たちに学びの場、また老舗として長く愛されてきた文化教育の場を守りたいとの強い思いのあまり、経営計画と経営母体が代わることによる顧客の心情まで考慮されていなかった。そのため、相手のことを否定せず、じっくり話を聞きながら、生徒たちの学びの場を守るために必要な事、生徒たちの心理的に不安に感じる事を一緒に考え、書き出す作業を行った。相談者も自ら話す内容から自ずと課題や解決のための必要はアクションが整理されたようであった。

 相談者の目標とするアクションが見えてきた段階で、承継と経営計画に関しては地元の商工会議所、資金計画に関しては金融機関と連携を行い、さらに専門的な指導員と課題の細分化、アクション項目に起こしていくことで、さらに明確な計画・行動の「見える化」を促せた。(コーディネーター木下寛子)

相談者の声 コーディネーターが何度も話を聞いて下さりながら、どうしたいのか、それを実現するために必要な手順や資金など具体的に書き出しをしてくれたこと、またや商工会議所や金融機関の皆さんがさらに明確な目標設定としてくださったお陰で、バレエ講師としての考えプラス経営的な目線での事業承継の進め方の道筋を見出すことが出来た。バレエ教育のノウハウを継承するだけでなく、生徒や保護者の考え方、地域の動向を見ることの重要さを教えていただき、何より、壁にぶつかった際に常に励まし相談にのっていただき、大きな安心と自信に繋がりました。

本誌:2019年12月9・16日号 15ページ

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