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連載記事スローライフ~午後4時の窓辺から~

キャッシュレス元年

 消費税増税の機会をとらえて政府はキャッシュレス社会の実現を目指して、場合によっては増税分を上回るインセンティブをちらつかせています。食品に対する増税は見送ったのにも関わらずキャッシュレスで5%のキャッシュバックをするというのですから訳が分かりません。

 それはともかく、海外でのキャッシュレス化の徹底ぶりをみると日本にもそういう時代が来ることは止められないし、また現金主義にこだわる理由もないような気がします。ただ、現金に代わる支払い手段の百花繚乱ぶりには戸惑うばかり。

 なるべくひとつかふたつの決済手段に限定しようと思っても、そこにポイント付与条件の損得という要素が加わって決定打を見出すことはなかなか簡単ではありません。複雑怪奇な決済手段に対応しなければならないお店には心から同情します。

 そしてさらに奇怪だと感じることは、国はキャッシュレス社会を目指して声を張り上げているくせに、岡山市では今のところクレジットカードで市民税や固定資産税を支払うことができません。この大きな矛盾に対して自治体行政に文句を言う人はいないのでしょうか。社会保険の支払いでも税金でもクレジットカード払いできれば、チマチマした買い物で付くポイントと比較にならない大きな点数が貯まるはずです。

 さて、そんなポイントをいかに賢く稼ぐか?いろんな人がYouTubeで裏技を競っています。航空会社のマイルを効率よく貯めるためには、どのカードを使い、そこで得たポイントをどこそこに移行し、最終的にいかに早く特典チケットをゲットするか、白熱の議論が展開されています。前途有望な青年がこんなことに知恵を絞りうつつを抜かしている社会というものは、間違いなく滅びへの坂道を転がっているとしか思えない……、と私も年輩の人にありがちな文句のひとつも言いたくなります。

 そんなことを嘆きつつも、最近クレジットカードのポイントをチェックしてみたら800ポイントほどありました。コスパの悪いギフトカタログなんかには目もくれないで航空会社のマイルにさっそく移行。沖縄往復の特典旅行ゲットまであと少し!そのことに気づいた私はいままで漫然と現金払いしていた日常の買い物や医療費もクレカ払いに変えました。なかなか現金な性格です、我ながら。

本誌:2019年10月21日号 15ページ

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