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連載記事賢い補助金の活用法

平成30年度被災地域販路開拓支援事業 小規模事業者持続化補助金(豪雨対策型・追加公募分)

  • 中野旬一氏
  • 補助金を活用して再建したパン店

 よろず支援拠点とVISION岡山のコラボ連載企画「賢い補助金の活用法」。今回は昨年の豪雨災害を受けての被災地域販路開拓支援事業 小規模事業者持続化補助金(豪雨対策型・追加公募分)と活用事例を紹介します。専門家の適切なアドバイスに基づき補助金を申請することで、被災した事業者の一日も早い再建を後押しします。

 日本商工会議所 平成30年度被災地域販路開拓支援事業 小規模事業者持続化補助金(豪雨対策型・追加公募分)

 平成30年6月28日から7月8日にかけて、中国地方を中心に発生した記録的な大雨(以下「平成30年7月豪雨」)は、甚大な被害が生じた災害であり、特に、災害救助法適用市町村のある1府10県(岐阜県・京都府・兵庫県・鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県・愛媛県・高知県・福岡県、以下「被災地域」)において、多くの小規模事業者が、生産設備や販売拠点の流出・損壊や顧客や販路の喪失という状況に直面しました。

 こうした小規模事業者の事業再建を支援するため、上記「被災地域」を対象とする本補助事業を実施し、早期に新たな経営計画を作成し、事業再建に取り組むにあたり、経営計画に沿って販路開拓に取り組むため経費の一部を補助するものです。

対象者:商工会議所地区で事業を営む小規模事業者
補助率;補助対象経費の3分の2以内
補助上限:岡山県・広島県・愛媛県の事業者200万円

 倉敷市真備町のパン店 売上高は被災前の120%に

 平成30年7月豪雨災害で被災し、建物2階まで全壊。1階部分の店舗は厨房機器も含めて全壊し、被害総額は機械2800万円、建物400万円、袋等の包材150万円、材料と商品50万円に上った。商工団体にも未加入で情報がない中、自助努力で復興を目指していた。

 初回の相談時には各種融資制度や助成金・補助金を説明した。また、建物の復旧に時間がかかるため、同業者の機械を借りて製造し、プレハブで販売するビジネスを提案、パン製造協力店舗を紹介・マッチング支援を行った。

 2回目は復興に向けて検討している設備が補助対象となる可能性があるため、ものづくり補助金2次公募、小規模持続化補助金について解説した。また、近隣の飲食店とのグループ形成を計画しているため、グループ補助金について解説した。

 さらに、直近3カ年の貸借対照表・損益計算書のコピーを頂いたので、次回以降において復興に向けた事業計画のたたき台を作成し、擦り合わしていくことにした。

 同店の場合、法人ではなく個人事業主であり、直接罹災で因果関係も明白なためガイドライン適用に支障になりそうな事情はなく、早期にメインバンクに相談し、手続きのスタートとなる同意書を取り付けるべき。岡山では金融機関の認知度にばらつきがあり、窓口対応での不適切例も散見されることも説明し、手続き全体の流れと、弁護士会にも災害相談窓口があることを案内した。先に新規融資を受けるとガイドラインは適用できなくなるため、選択肢をよく整理したうえで方針を決めるようにアドバイスした。

 グループ補助金及び小規模持続化補助金について、概略及び熊本県の事例を活用した説明を行った。また早期の売上高確保のためには、持続化補助金に注力することを提案した。玉島信用金庫の支援により申請書作成の予定であるが、前回来訪時のヒアリング結果をもとにした申請書のたたき台を提供した。

 このような過程を経て復興手続きを開始し、製造協力店舗「パン工房アルテファット」(倉敷市玉島)で製造し、自社で手配したスーパーハウスで9月19日より営業再開。現在一日600個を販売する繁盛店となり、被災前対比で売上高は120%に上っている。

本誌:2019年10月21日号 9ページ

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