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商標権譲受者が記載された商標登録証

 Q 苦労の交渉が実り、念願の商標権を他社から弊社が買い取り、その譲渡手続を完了しました。以前の商標権者が商標登録証をなくしたこともあり、弊社名が記載された商標登録証を再発行してもらいたいのですが…。

 A 商標登録証をよごし、損じ、又は失ったときは、商標登録証の再交付を特許庁に請求することができます(特許庁への費用4600円)。ただし、この再交付を請求できるのは、商標登録証の交付が開始された平成11年1月1日以降に設定登録されたものに限られます。なお、商標登録証をよごし又は損じた場合における再交付は、そのよごし又は損じた商標登録証を返却する必要があります。

 この再交付される商標登録証は、その商標権が発生した設定登録時の内容に基づくものであり(設定登録時に発行した商標登録証を再度交付)、最新(再交付時)の登録内容を反映したものではありません。このため設定登録後に商標権者の名称や住所を変更した後に商標登録証を再交付してもらっても、再交付される商標登録証には旧名称や旧住所が表示されますし、商標権が移転された後に商標登録証を再交付してもらっても、その商標登録証には旧商標権者が表示されることになります。

 ご相談の例では、旧商標権者(譲渡者)が商標登録証を紛失したのですから、商標登録証の再交付を特許庁に請求することはできます。そして、苦労なさって手に入れた商標権ですから、貴社名が記載された商標登録証をご希望になるお気持ちはよくわかります。しかし、再交付される商標登録証には旧商標権者(譲渡者)名が表示され、貴社(譲受者)名は表示されませんのでご注意ください。

 なお、商標登録証は、商標権者であることや商標権の存在を主張するために必須のものではありません。そして、商標権の現状について確認するときは、特許庁に備えられた「登録原簿」(商標原簿と言うこともあります。)を確認する必要があります。商標登録されると登録原簿に登録され、その後、商標権に関して変更があった場合も、この登録原簿に登録されます。従いまして、商標権者であることを主張したり、商標権を行使する際には、商標登録証を確認するのではなく、この登録原簿を閲覧したり又はその写しの交付を受けて内容を確認するようにしてください。

本誌:2019年9月9日号 21ページ

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