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連載記事人材育成のタネ 61

経営戦略としてのSDGs ~日本の中小企業にとってのSDGとは~

  • 竹本幸史氏

 2000年から15年間、国際社会の共通目標として掲げられたミレニアム開発目標(MDGs)は一定の成果を収めました。その後継として、15年9月にニューヨーク国連本部において、「国連持続可能な開発サミット」が開催され、貧困撲滅のために取り組まなければならない課題をより広くとらえた開発目標である持続可能な開発目標(SDGs)が国際社会で合意されました。

 持続可能な開発目標(SDGs)は、17の目標と169のターゲットから構成されています。ビジネスのリソースにおいて、「人・もの・金・情報」とよく言われますが、日本の中小企業において人材獲得やブランドをどのように構築するかということに答えはありません。一般に、所得や給与水準が高いということは人材獲得の一つの要因です。しかしその一方で、NPO企業も就職希望ランキング上位に入っています。なぜNPO企業がランクインするのでしょうか。それは、企業姿勢に共感しているからです。

 企業姿勢とは、会社存続の目的や活動のことを言います。こういった事例を基に考えると、日本の中小企業はもっとSDGsに対する取り組みに注力し、企業価値を高め、自社のブランド化を図るべきだと考えます。それが結果、人が集まる企業にも発展していくはずです。うわべだけの社会貢献を推進すべきと言っているのではなく、経営戦略からバリューチェーンにおいて社会的インパクトを意図した取り組みやその成果の最大化に向けたPDCAサイクルを適切に回し、発信できる力を備えることが重要な経営力となると考えています。

 日本の場合、企業の99%は中小企業であるため、SDGsはビジネスやイノベーションで達成すると考える場合には、いかに中小企業やベンチャーがこの動きに参画するかが重要になってきます。そのためには、SDG Compass(SDGs の企業行動指針—SDGs を企業はどう活用するか—)の取り組みのように、SDGsの目標を実際のビジネスにおいて活用することのできる粒度まで「因数分解」する取り組みが重要だと思います。

※SDG Compassは、ネットで公開されておりますので、ぜひご一読ください。「SDGsと経営戦略」は日本での認知度は低いですが、今後必ず重要なキーワードとなってきます。今だからこそ、中小企業は取り組むべきだと思います。

●竹本幸史● 元㈱リクルート岡山支社長。現在は人材育成を主としたコンサルティング業務の㈱SWITCH WORKSを立ち上げ奔走。またリーダー養成スクール「法人会員制・定額制ビジネススクール」を開講中

本誌:2019年1月21日号 15ページ

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