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連載記事スローライフ~午後4時の窓辺から~

早くも関空復活

 前回このコラムで「危なっかしい関空」と書きましたが、それから10日間が経過し本日(9月14日)第1ターミナルも部分的ながら搭乗業務を再開しました。空港が発表した国内線、国際線の発着予定を一瞥した印象ではほぼ以前の空港機能を取り戻した感があります。鉄道も当初予定よりかなり早く、今月21日には運転を再開できる見通しです。

 この復旧スピードを“早い”と思うか“遅い”と感じるかは、人それぞれでしょう。しかし年に何回かしか関空を使わない私は「えっ?もう元に戻ったの?」という驚きを覚えたのが正直なところです。台風によって一瞬で壊れた空港が瞬く間に復活するのを見ていて、空港の強靱化は必須であるにせよ「どんな災害にも大丈夫な空港を作ろうとする」よりも「壊れても迅速に復旧させるだけの資金繰り、技術、シミュレーション、システム等があればそれでOK」と考える方が無理がなくまた現実的であると感じました。

 というのも関空を始め近畿地方に未曾有の災害をもたらした台風21号が北海道に達したその夜、北海道南部で震度7の大地震が起き、全道が停電(いわゆるブラックアウト)するという非常事態に見舞われました。このように日替りでメガ・ディザスターが襲う日本列島にあっては自然災害に力業(ちからわざ)で抗うことにはおのずと限界があります。

 そういえば千年の都京都や世界一平和な大都会だった江戸の町は繰り返し大火に遭ってきましたが、その都度より美しく町並みが再建されてきた歴史があります。紙と木で作られた家屋は簡単に燃えてしまうけれど建て替えも早いものです。それに引き替え地中海沿岸地方にあちこち残る古代ローマ時代の都市の廃墟は今も廃墟のまま。家屋、上下水道、大浴場や劇場などすべてが石でできた古代ローマの遺跡を見ると、石造りの建造物は強固な代わりにいったん廃墟になればその場所での再建は不可能であることを現代に伝えています。柳に風の日本とは大違いです。

 現代では鉄とガラスとコンクリートでできた建造物が大きく破壊されてもテクノロジーと十分な資金があれば比較的短期間で再建されることは今までも経験済みです。地震や台風の襲来を過度に恐がることもないな、とほぼ復活した関空の映像を見つつ頼もしく思いました。

本誌:2018年秋季特別号 20ページ

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