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連載記事マネーの道しるべ 42

テレビ局の金融リテラシー

  • 森康彰氏

 弊社の中国財務局への登録も終わり楽天証券の取り扱いがスタートしました。これを機会に多くの方に運用に関することを知っていただきたいとローカル放送の情報番組に月1回5分ほどのコーナーを設けようと打ち合わせを進めてきましたが、考査の結果、運用に関することは取り扱いができないとのことで取りやめとなりました。

 1000万円を利回り5%で35年間運用すると4500万円ほど増えますという表現が番組的にできませんということでした。テレビの放送に関するガイドラインがあるはずなので、どこに抵触して何が問題なのか教えてほしいと言っても要領を得る回答はありませんでした。

 テレビで、金利10数%でお金を貸しますというCMを見ない日はありません。実際に、100万円借りた場合、利息はいくら支払う必要があるのでしょうか。どの銀行のホームページで商品概要を確認しても理解できません。金融庁の平成30年1月の銀行カードローン検査中間とりまとめを読むと低金利完了を背景に近年残高が増加し過剰な貸付が行われていると批判の中、テレビCMは貸金業の自主規制ガイドラインと同水準、つまり、午前7時から9時、午後5時から10時は原則として放送しないよう促しています。テレビ局の考査は機能しているのでしょうか。

 また、今年1月末に仮想通貨取引所コインチェックから580億円相当の仮想通貨が盗まれたときのテレビCM、報道を思い出してください。前年秋ごろより報道番組などで「億り人」という言葉を使い、仮想通貨で短期間に1億円以上の利益を上げた人をたびたび取り上げ、投機をあおっていました。そして、みなし業者にすぎないコインチェックのCMを昨年12月から放送。CMは話題を呼び、ビットコインはその直後につけた最高値をピークに、翌1月末には半値以下になります。日本人の資産が大きく棄損しました。ここでもテレビ局の考査の適正が問われるのではないでしょうか。

 ただ、根底にあるのはテレビ局の考査のみならず、日本人全体の金融リテラシーの低さです。今回、弊社は、それゆえにテレビを通じて金融教育することができませんでした。自分の資産を守るためにもテレビを消して、金融について学ぶ時間を作ることから始める必要があります。

●森康彰●2年間、保険代理店に勤めた後、2008年に保険コンサル会社㈲e.K.コンサルタントを設立。2014年に東京支社を設けるなど、首都圏へも業務を拡大中。 敬愛する人物は、稲森和夫、立川談志。

本誌:2018年8月27日号 12ページ

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