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連載記事人材育成のタネ 53

人と組織には、なぜマネジメントが必要なのか

  • 竹本幸史氏

 企業が戦略を効果的に実行していくためには、「人」という経営資源をいかに動かしていくかが重要となります。では、どうすれば人は動いてくれるのでしょうか。

 まずは、人の行動メカニズムという視点から、モチベーションとインセンティブについて考えてみましょう。自分はなぜ働いているのかと自問してみてください。報酬を得たい、社会的地位を得たい、楽しく働きたい、あるいは、自分の力を伸ばしたいというような動機が出てくるのではないでしょうか。この一つ一つが目的であり、モチベーションと呼ばれるものです。次に、自分はなぜ今の会社で働いているのかを考えてみましょう。期待する水準の賃金や賞与をもらえる、有名な会社である、やりたい仕事ができる、仕事を通じて成長できるなどでしょうか。これで今の会社で働くことによって、自分のモチベーションを満たすものが得られていることに気づくはずです。このように、金銭的なものに限らず、広くモチベーションを満たすために企業が与えるものをインセンティブと呼びます。そして、個人のモチベーションに合致したインセンティブを与えることで、人は働こうという意欲を持ち、企業は人という経営資源を動かすことができるのです。他者を動かそうとする場合は、動いてほしい人のモチベーションがどこにあるのか把握した上で、それを満たすために組織が提供できるインセンティブを明確することが重要です。

 インセンティブを与えるに際して、注意しておきたいポイントは、与えるインセンティブが個人のモチベーションを満たすだけでなく、組織の要求も満たすものとなっているかをチェックしなくてはなりません。例えば、いくら個人が高い給与を望んでも、事業への貢献度以上の給与では、会社にとってマイナスにしかなりません。個人がやりたい仕事と会社にとって必要な仕事とのマッチングを考えて業務を配分することができれば、企業の目標実現のためにより効果的に人を動かすことができるのです。

●竹本幸史● 元㈱リクルート岡山支社長。現在は人材育成を主としたコンサルティング業務の㈱SWITCH WORKSを立ち上げ奔走。またリーダー養成スクール「法人会員制・定額制ビジネススクール」を開講中

本誌:2018年5月21日号 15ページ

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