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連載記事なんでもQ&A[生命保険]

非上場自社株の買い取り

 Q 相続税納税や事業承継対策のために、非上場である自社株を会社で買い取ることができると聞きました。詳細を教えてください。

 A 会社は株主総会の決議を経て、自社株を株主から買い取ることができます。この買い取った自社株を「金庫株」といいます。平成13年の商法改正で、会社は目的を問わず自社株を取得・保有できるようになりました。取得した株式には処分制限がないため、期間・数量の制限を受けずに保有することができます。

 会社による自社株買い取りについては、次の二つのケースがあります。一つは株主が生きているときに直接株主から買い取るケースです。この場合売却した株主は、取得価格(資本金の額)を超える部分の金額は「みなし配当」として、他の所得と合わせた総合課税(総合課税:最高税率・所得税45%、住民税10%)の適用を受けます。

 もう一つは会社が自社株を相続した相続人から買い取るケースです。相続税申告期限の翌日から3年以内に相続により取得した自社株を会社に売却した場合、取得価格(資本金の額)を超える部分の金額は「譲渡益課税」(分離課税:所得税15%、住民税5%)の適用を受けます。

 いずれのケースも、原則として株主が譲渡を拒否すれば買い取りはできませんでしたが、平成18年の会社法施行により、相続で自社株が分散することを防ぐため、あらかじめ定款に定めておけば、会社は自社株を相続した相続人に対して強制的に自社株を買い取ることができるようになりました。(「売渡請求」)

 ただし会社が自社株を取得する場合、株主への配当と同様にみなされ「財源規制」が設けられています。つまり会社は剰余金分配可能額(会社の純資産から資本金及び法定準備金等を控除した額)を超えた自社株の買い取りはできません。また仮に剰余金分配可能額があっても、必ずしも買い取りのための現金があるとは限りません。

 この買取資金については生命保険で準備することができます。契約者・死亡保険金受取人を会社、被保険者を経営者(被保険者)とする終身保険に加入すれば、相続開始時に確実に保険金(現金)が支払われます。あるいは保険期間が非常に長い「長期平準定期保険」を活用することも考えられます。

三井生命保険㈱
岡山支社長
冨谷拓真氏
岡山市北区幸町8-29 三井生命岡山ビル6階
TEL.086-232-2011

本誌:2017年10.23号 21ページ

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