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訪問先でのマナー

 貴方様がお越し下さることになった企業様では、お相手の社内では通達が行き届いていることもあるかと思います。社員全員に通達がなされていない状況であっても、関係者のお方は貴方様のお越しに関して、あらゆる心配りをなさることでしょう。

 さて、貴方様はどのような飲み物がお好みなのでしょう?お酒?日本酒。ワイン。そうであっても、お昼に会社にお越し頂くのですから、お酒以外の飲み物で、貴方様のお好みの情報を得なければはなりません。貴方様のお好みの飲み物の情報を得ることができたならば、次はその飲み物に合う、貴方様のお好みのお菓子をどうすべきか、念入りに検討がなされるのです。それから、貴方様への手土産に何を用意すべきか?貴方様と同行なさるお方の控室はいかがするべきだろうか?控室を用意しご案内のお声はかけるが、もしかすると控室にお入りになることはご遠慮なさるかもしれない。運転手に徹するお方ならば、車内にて便利な飲み物をお渡しすることも忘れずに。

 貴方様へのおもてなし係と、駐車場付近のお方へのおもてなし係の用意も必要です。人手が足りないならば、貴方様へのお茶を先にお出しし、その後、急いで同行者様の確認を行う準備も整っているはずです。

 貴方様にとっては、5分程度の訪問であっても、お相手にしてみると、大切な一大イベントなのです。さて、そうとは知らない貴方様は、応接間に通されて、どのようにお茶をお飲みになりますでしょうか?もしかすると、お茶菓子に興味のない貴方様は、お茶菓子になんて全く目を触れることもなく、その場をお出になってはいませんか?貴方様からすると、いつも温かい飲み物ばかり飲んでいるのだけれど、今日は冷たい飲み物が飲みたかったので、熱そうな飲み物はその場で飲むことには興味がなかっただけ。全く飲み物には口を付けていない。とのシンプルな思いなのかもしれません。しかし、貴方様がお帰りになった後には、お招きした側のスタッフさん達は、貴方様に失礼があったのでは?と大変心配をなさるのです。皆さまから大歓迎される貴方様ですから、是非とも皆さまに喜んで頂ける、応接間でのマナーを身に着けて下さい。

 お菓子についての考え方

 ①食べなくても誉める→お菓子は食べなくてもマナー違反ではありません。しかし、お食べにならない時も、用意をして下さったお気持ちに対して、感謝の言葉を述べることを忘れないようにお願いします。

 ②食べるのならば、食べ残しは禁止→もしも、お食べになるならば、一旦口を付けたお饅頭やケーキを残すわけにはいきません。口を付けたものを残してしまうと、「美味しくなかった。口に合わない」との意味の行動とみなされます。①と②、どちらを優先すべきか、お相手の気持ちと貴方様の身体の都合など考慮し、ご選択ください。

 ③飲み物についても感謝を言葉で伝える→飲み物についても、ありきたりな飲み物であっても感謝の言葉を表明なさって下さい(貴方様のようにお立場のあるお方のみでなく、皆さま共通のマナーですので、ぜひ社内の皆さまへのご指導もお願い致します)。

 ④飲み物は全て飲み干さなくてもマナー違反にならない→お客様の器にお茶がなくなれば、次のお茶が注がれます。もてなす側は、「まだまだごゆっくりどうぞ」の意思表示としてのおもてなし方法です。そして、お飲みになる側は、失礼のないように、きちんと器の飲み物を飲み干してから。との思いもあることでしょう。飲み物は途中で残しておいてもマナー違反にはなりません(詳しいやりとりに関しましてはまた機会がありましたらご紹介いたします)。

 ⑤人前で食べることを、はしたないと思わなくても良い→人前でお口を開けることははしたない、と思いになっていらっしゃる、貴方様もいらっしゃることでしょう。マナーは時代ともに変化していくと言われております。その点を考慮すると、丁寧に用意されているお茶菓子を残すのは申し訳ない、人前でご自身のみが頂くのも申し訳ない、との気持ちから、通されたお部屋に一人になった瞬間にお茶菓子を一気に頂くとの貴方様の配慮も、現在では滑稽に見えることもあります。

 貴方様のそのお気持ちに気づくことができるのは、わたくしぐらいの年齢まででしょうか?いえ、おじいちゃん、おばあちゃんと過ごしていないお方ならば、わたくしと同世代であっても難しいかもしれません。貴方様から、良きしきたりや慣習を学ばせて頂くことがあり、尊敬致しております。立場やお行儀を習う時代により、様々な考え方があることでしょう。私自身、10年以上前にマナースクールを始めたころに比べて、変化した内容をお伝えする項目も多くなってまいりました。 時代とともに変化する、様々なマナーについて、どのようなお考えでいらっしゃるか、ぜひ貴方様のお気持ちをお伺いすることができますと幸甚です。

本誌:2017年6.19号 19ページ

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