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連載記事マネーの道しるべ 25

フィデューシャリー・デューティー

  • 森康彰氏

 金融庁が発表している「平成27事務年度 金融レポート 主なポイント」の6ページに、以下のように書かれていました。「商品開発や販売などに携わる金融機関に対する、真に顧客本位の業務営業(フィデューシャリー・デューティー)の徹底が必要。多くの金融機関は、手数料の稼げる商品を販売。銀行窓販の投信については、販売額や手数料等の収益は拡大を続けている一方、残高は伸びていない」-。

 薄々は感じていましたが、ここまではっきり言葉にされるとさすがに衝撃を受けました。また、63ページにはこうも書かれています。「銀行において、投資信託販売額や収益が増加してきた一方、残高や保有顧客数が伸びていない状況をみると、今なお、いわゆる回転売買が相当程度行われていることが推測される」。母親に勉強しなさいと注意される勉強していない子どもと同じく、「真に顧客本位の業務営業を徹底しなさいよ」と、注意されることは、顧客本位の営業をしていないからです。具体的な数字もグラフで知ることができますが、主要行等および地域銀行の投資信託の販売額、収益の推移を見ると、販売額で2009年度~14年度の5年間におよそ2.5倍強、同期間、利益で2倍弱なのに対して、投資信託窓販の残高は23兆から24兆へとわずか5%弱の伸びとなっています。ひざから崩れ落ちそうになる現状です。たちまちできることと言えば、3月決算の銀行が提案してくる金融商品には一呼吸おいて、しっかり内容を見極めて購入するということです。さらに言うと、その見極めができないのなら購入しない方が良いとも言えます。

 だからといって、銀行以外での販売が顧客本位で行われているかというとそうでもありません。保険代理店も業法改正があり、顧客本位の販売ができているのか金融庁に直接管理される方向にやっと整い始めた程度です。まだレポートとして上がっていないだけでひどい状況だと思っています。

 結論を言うと、私たちはもっと投資について勉強していく必要があるということです。このレポートには「投資教育を受けたことのない者の割合が約7割。そのうち3分の2は、『そもそも投資の知識は不要』との考え」と書かれています。まずはその状況を変えていくべく、弊社では勉強会を定期的に開催していきたいと考えています。私自身、特別に詳しいわけではありませんが、皆さんとともに学び、成長したいと考えています。


●森康彰●2年間、保険代理店に勤めた後、2008年に保険コンサル会社㈲e.K.コンサルタントを設立。2014年に東京支社を設けるなど、首都圏へも業務を拡大中。 敬愛する人物は、稲森和夫、立川談志。

本誌:2017年3.27号 19ページ

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