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神戸日帰りの旅

 大阪の友人が神戸に行く用事があるけれどそれはすぐ済む、後は暇なので神戸で会わないか、という誘いがあり喜んで出掛けました。私自身、上海にはしょっちゅう行っているくせに本場でおいしい中華料理に当たったことなど一度もなく、その恨みを神戸の中華街で晴らすのも一興だと思われました。

 あらかじめ口コミ情報を元に行く店も決めて出掛け、JR元町駅で友人と合流し、南京町にあるくだんのレストランに入りました……。口コミ情報ほどあてにならないものはないですね。大外れ、満腹感も満足感もないまま店を出ました。すると向こう三軒両隣、よその店のメニューばかりが燦然と輝いて見えます。

 「他の店にすればよかった」などと愚痴をこぼしたら友人が「どこの店でもレベルはいっしょですよ。俺たちそういうことを学ぶ能力に欠けているからいつも期待しては失敗するんじゃないですか」。わざわざ岡山から出掛けて不満足なメシを食ってそのまま帰るのはあまりにも空しい。そこで震災以来22年ぶりに神戸の街を歩いてみることにしました。

 廃墟から完全に立ち直った神戸は心なしか震災前の独特の情緒、雰囲気が薄れて平凡な町並みに変わっているような気がしました。

 それでも神戸の老舗は健在でした。海から山に向かってトアロードを上って行くとデリがあります。日ごろ「おいしいベーコンがない」と嘆いている私ですがさすがは神戸、ハム、ソーセージ、ベーコン、サーモン、鯖、ニシンの薫製などが抵抗しがたい魅力で私を誘惑します。せっかくの機会なのでノルウェー産ニシンの薫製をおみやげに買いました。薄くスライスしたライ麦パンにバターを塗りニシンの薫製を乗せレモンを搾って食べるのは最高のぜいたく!

 歩き疲れて昔懐かしい中山手通りにある「にしむら珈琲店」に入りました。大阪千日前の「丸福珈琲店」、京都河原町の「フランソワ喫茶室」、この3軒を私的には関西3大至宝喫茶店とさせていただきます。

 にしむら珈琲で元気を取り戻し、大阪の友人と別れたあと元町から在来線に乗って帰ってきました。夜、スマホをチェックしたら、大阪の友人からメールが入っていました。「今帰ってきました。麻婆豆腐と酢豚を食べ、満足感でいっぱいです。王将で食べました」とありました。

本誌:2017年3.27号 20ページ

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