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連載記事人材育成のタネ 29

部下のやる気にさせる方法2

  • 竹本幸史氏

 モチベーションを上げて部下をやる気にさせる方法の2回目。前回は、部下がやる気を出し、目標に向かって行動するための3つの要素の1つを紹介しました。今回は、残り2つを紹介します。

 「成長するには今までやってきたことを乗り越えることだ」。これに似たような言葉を聞いたことがないでしょうか。新しいことにチャレンジできないのは、勇気ややる気がないからではありません。今までのやり方で、ここまで無事に生き残ってきたわけですから、これ以上危険なことに身をさらす必要がないのです。このことを理解せずに、「思いっきりやれ」「チャレンジしてみろ」と言っても無理があります。部下が今までやってきたことのさらに上を目指すには、「リクエスト」することです。「売り上げを2倍にしてほしい」「新商品のアイデアを明日まで出してほしい」などです。リクエストとは、人が単独でできる範囲を超えて、目標に向けて人を指導し、後押しをすることです。

 次に大切なのが、部下にリクエストするタイミングです。ベストなタイミングは①挑戦させることで成長の機会があると感じた時。②問題を解決するにあたって緊急性が要求される時。③強い信頼関係があり、リクエストをする土壌がある時。④本人自身が気付いていない可能性を伝えたい時。

 今までやってきた方法から一歩先へ進ませることは、簡単なことではありません。行動するための動機付けは「まずは安全であること」が基盤にあるからです。相手のやる気に働きかけるために必要なのはモチベーションそのものではなく、行き先の具体化と成長への後押しです。

 最後は、目的の明確化です。自分の将来について関心のない人はいないでしょう。目標を具体化し、部下の背中を後押ししたとして、最後に大事なのは、「これをすることで私が手にするものは何なのか」という問いへの答えです。どんなに会社や組織の目標を自分のことのように部下が話していたとしても、本人にとってどんな価値や意味があるのかを具体化しない限り、それが達成されることはありません。全体の目標を達成することで、自分は何が手に入るのか、個人的なレベルまで落とすことが、モチベーションへの働きかけになるのです。

●竹本幸史● 元㈱リクルート岡山支社長。現在は人材育成を主としたコンサルティング業務の㈱SWITCH WORKSを立ち上げ奔走。またリーダー養成スクール「法人会員制・定額制ビジネススクール」を開講中。

本誌:2016年GW特別号 13ページ

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