WEB VISION OKAYAMA

連載記事

ブランド調査6

 2015年のグローバルのブランドランキングがインターブランド社より発表された。これを先ず検証しておきたい。

 トップは43%も価値を伸ばしたアップルである。1ドル=120円で換算すると約20兆円の価値があることになる。2位はグーグルで、その価値は約14.4兆円となる。グーグルも価値を12%アップしている。長年首位の座にあったコカコーラは3位で、約9.4兆円の価値があるが、4%価値を減少している。4位はマイクロソフトで、約8.1兆円の価値があり、11%価値を伸ばしている。5位はIBMで、約7.8兆円の価値があり、10%価値を低減させた。トヨタは6位(約5.9兆円)に入り、その後にサムスン(約5.4兆円)、GE(約5.1兆円)、マクドナルド(約4.8兆円)、アマゾン(約4.6兆円)が続いている。サムスンの価値は横ばいであり、GEとマクドナルドは価値を低減させている。アマゾンは29%も価値を伸ばしている。

 日本企業は100位以内に、6位のトヨタ、20位のホンダ、40位のキヤノン、49位の日産、58位のソニー、65位のパナソニックが入っている。この内順位を上げているのは、トヨタ、ホンダ、日産、の3社である。100位以内に初登場したブランドは4つある。ネット上の決済サービスのペイパル、往年の名車のミニ、シャンペンのモエ&シャンドン、PCのレノボである。オールド・テクノロジーが2つ、ニュー・テクノロジーが2つということになる。

 この表から見えることはオールド・テクノロジーの会社が段々と価値と順位を落とし、新たなICTをコア技術とする企業が大きく価値を伸ばしていることである。レイ・カーツワイルの『シンギュラリティは近い』ではこのテクノロジーは指数関数的に伸びることで2045年にはコンピューターが人類を超えると予言されている。恐らくこれから20年近くは限りなく限界点に近いスピードで変化が起きるのだと思われる。そのテクノロジーを活用できる会社とできない会社とでは大きく差が出るのであろう。日本の上位企業がどちらかというとオールド・テクノロジーの会社であることが心配されるが、車の自動運転のような新しいサービスを付加することが発表されているので車がどのように進化するか楽しみである。

 オックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授の論文の「雇用の未来――コンピューター化によって仕事は失われるのか」が世界中で注目されている。調査した702の職種の内47%が自動化によりコンピューターに取って代わられる可能性が高いと結論されている。既に飛行機のパイロットなども実際に操縦しているというより自動操縦を監視し緊急の場合に対応するようになっている。消え去る職種として銀行の融資業務、スポーツの審判、不動産ブローカー、税理士などが挙げられている。

 19世紀の初めごろの機械破壊運動では機械が人間の仕事を奪うことが危惧された。そして、21世紀多くの仕事がコンピューター(あるいは人口知能=AI:Artificial Intelligence)により取って代わられそうである。企業はブランド価値を高めるためにもまた自身の存続のためにもこの新しいテクノロジーを上手に取り入れてビジネスモデルを変化させることが必要となる。

 筆者が社会で働き始めた1970年代日本ではまだ週休1日制度で、多くの労働者にとって休日は日曜日のみであった。高度成長期になり週休2日制度が普及し、今日のように週末は休むのが当たり前になった。AIの進歩で人間の働く場所がなくなると考えるのか、あるいは、AIにより生産性が格段に向上することで、週休2日制度から週休5日制度になり、人は1週間の内2日間のみ働けばよくなるかもしれない。筆者は生来の楽天主義なので、後者の考え方に組したい。

本誌:2015年11.2号 19ページ

PAGETOP