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連載記事人材育成のタネ 15

リーダーシップを発揮するためには

  • 竹本幸史氏

 今回は、リーダーシップを発揮するために求められる具体的な理論を1つ紹介したいと思います。「PM理論」と呼ばれるものです。PM理論とは、社会心理学者である三隅二不二(みすみ じゅうじ)氏によって1966年に提唱されたもので、リーダーが集団に働きかける機能として、P機能(Performance function:目標達成機能)とM機能(Maintenance function:集団維持機能)の2つがあると提唱しています。それぞれの機能を具体的に言うとP機能は、目標設定や計画立案、メンバーへの指示などにより、集団が生産性を高められるような働きをすることで目標を達成すること。「課題・TASK志向」ともいいます。M機能は、メンバー間の人間関係を良好に保ち、集団のまとまりを維持しチームワークを強固にすることで、「人間関係・Relation志向」ともいいます。

 この理論では、2つの機能の強弱によってリーダーシップを4つの類型に分類し評価します。アルファベットの大文字はその面が強いこと、小文字は弱いことを示しています。PM型(P・Mともに大きい)は、目標を明確に示し、成果を上げられると共に、集団をまとめる力もある理想型です。Pm型(Pが大きく、Mが小さい)は、目標を明確に示し、成果を上げるが、集団をまとめる力が弱い。成果は上げるが人望がないタイプです。pM型(Pが小さく、Mが大きい)は、集団をまとめる力はあるが、成果を上げる力が弱い。人望はあるが、仕事は今ひとつというタイプ。pm型(Pが小さく、Mも小さい)は、両方できないリーダー失格タイプです。

 では、P機能を向上させるためには何が必要か。まずリーダーは目標に対しての具体的な計画と行動へのブレイクダウンを部下に示すことが必要です。その強化策は現状業務の見直しです。目標に対する行動計画や指示、命令の具体化、特に、現場を任す場合は何をどこまで任すかをハッキリさせることです。また結果のフィードバック、システムの構築と実行、問題解決、役割・責任の明確化などが問われます。職場改善で「問題意識が弱い」などを原因にせず、「やる気がない」「問題意識を持たない」という状況に陥っていると考えるべきです。そのような状況をつくり出している業務の問題点を発見することが本質的な改善課題となります。

 M機能の向上についてですが、メンバー全員が参画できるT(時間)、P(場)、O(状況、場面)を作ることです。コミュニケーションが重要であり、相互によく知り合うという関係が大切になりますから。キーワードは思い、感情、受容、共感などです。また、社会での存在意義もM機能向上に大きな影響を持ちます。

●竹本幸史● 元㈱リクルート岡山支社長。現在は人材育成を主としたコンサルティング業務の㈱SWITCH WORKSを立ち上げ奔走中。くらしき作陽大の非常勤講師も務める。またリーダー養成スクール「法人会員制・定額制ビジネススクール」を開講中。

本誌:2015年3.2号 13ページ

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