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中国の野心と衆院選

 11月に北京で開かれたAPECでは主催国の習近平国家主席が安倍首相を散々コケにした映像が繰り返しテレビで流されました。客人を待たす、まともに目を合わせない、あいさつを無視、会見場に国旗を置かないなどまさに目に余る無礼なふるまいでした。

 露骨な挑発に乗らない安倍さんには「お仕事ながらご苦労さま」とねぎらいの言葉を心の中でつぶやきました。今から思えば首相は衆議院の解散を念頭に淡々と国際会議での役目を果たしていたのでしょうが、中国との溝はいよいよ深まった感じがしました。

 そもそも今回のAPECの主題と成果は何だったのか、改めて問われるとよく分かりません。しかしながらひとつだけはっきりしたことがあります。「中国は大国として太平洋の西半分を支配する権利がある」という厚かましい願望を世界に向けて公然と言い放ったことです。

 以前から中国は奄美沖縄がある南西諸島を第1列島線と称し、伊豆、小笠原諸島からグアム、サイパンに至る海域を第2列島線と呼んでこの2つの列島線を突破するという野心を温めてきた経緯があります。

 第1列島線を突破するためには尖閣諸島が決定的に重要な位置を占めているので、中国に尖閣をあきらめさせることは非常に困難です。さらにAPECの最中、これ見よがしに八丈島、小笠原の領海やEEZ(排他的経済水域)でサンゴの密漁船が200隻も集まり中国国旗をなびかせていました。このおぞましい光景は私には密漁というより、中国による第2列島線の“実行支配”を印象づけるためのデモとしか思えませんでした。

 今、年の瀬が迫る中、衆議院選挙戦の真っ最中です。大義なき選挙と言われるだけあって争点のよく分からない選挙戦です。しかし、今本当に問われていることは消費税問題や景気問題などいわゆる当面の国民生活をどうするかよりも10年後、50年後、100年後の日本をどうデザインするかではないでしょうか?

 ハワイから西の空と海が中国の支配下に陥った世界を想像したら寒気がします。国際問題が選挙イシューにならないのはよく分かりますが、我々が選挙で作る次期内閣が日本の命運を握っています。棄権や白票ではなく、これまでの実績を参考に、賢い選択をしたいと思います。

本誌:2014年12.8号 18ページ

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