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いま一度確かめたいマナーの“常識”

ご自身の知識が一番正しいと思っていらっしゃる、男性の発言をよく耳にします。もしも、貴方様の発言が間違っていても、貴方様のお立場を考えますとどなたも、間違っていることを指摘いたしません。私は礼儀作法に関する開講致しまして、大人達がごもっともらしく間違った発言をしていることかと、心の中で思ったことが何度もあります。しかし、決して口にだして発言をすることは致しません。お相手を指摘する事は、「一番のマナー違反」と言えるからです。

貴方様が下記のような発言をなさったことは、おありではないと思いますが、もしもの赤恥が起きませぬよう、ご紹介させて頂きます。

○レモンの輪切りは箸を片方ずつの手で持ち、箸で絞るようにする!?

この方法は男性でしたら良いでしょうが、特に女性はしないように気を付けるべきです。
輪切りのレモンは果汁を十分に絞る用途ではなく、レモンを軽くお箸で押さえて香りを楽しみます。くし切りのレモンは、手で絞りますが、その時に箸をレモンで押さえ果汁が飛ばないようにするお箸使いも女性はなさらぬように。従って、物知り博士のように貴方様にこの方法を勧められた女性は困ってしまうのです。

○ご飯のお代わりは、一口分のご飯を茶碗に残すのが礼儀だ!?

お茶碗に一口残っているタイミングで、給仕人のお方が「お代わりはいかがですか」との言葉をかける気遣いのタイミングです。そのぐらいもてなす側が、お相手に気遣いをすることから行われている行動です。よって、給仕人がより深い気遣いをしてくださる場所(料亭など)で、男性がマナーのように一口残す習慣をお持ちであるのかもしれませんね。その点からしますと、この件に関しましても、女性に「これがマナーだよ。」と、教えてさしあげる行為は、お行儀の良い行為とは言えなくなってしまうのです。とは言え、男性陣にこの方法をお辞めになって下さいと申し上げているわけではありあせんのでご安心下さい。お茶碗に一口残して、御給仕人さんへそっと差し出すことにより、大きな声で「お代わり!」と言って、御給仕人さんに気遣いが先にできなかったことを指摘をするような行為になるのを防ぐことができます。貴方様自身の気遣いの一つとしてなさるとお洒落度アップの行為と言えるでしょう。

○箸は右手と決まっている!?

現在では、右利き左利きどちらでお食事してもマナー違反ではないとの教えをする、マナー講師が増えております。「あら~ 左利きなんだ~」とのコメントをおっしゃることにより、左利きのお方が、その言葉をわざわざ貴方様がおっしゃるのは、失礼なお行儀の悪いこと。とおっしゃっているのでは?と心配なさる要素となります。今や、特別なことではありません。そっとしておいてあげましょう。

○蕎麦は音を立てて食べるのがマナーだ!?

貴方様のこだわりにより、蕎麦を音を立ててお召し上がりになることは否定いたしません。しかし、必ず蕎麦やうどんは音を立てなければならない。とのマナーもございません。
美しい立ち居振る舞いを重んじていらっしゃる女性は、音と立てないことへのこだわりがあるお方もいらっしゃることでしょう。貴方様のこだわりを、全ての決まりごとのように、押し付けるのは辞めましょう。

○通常の刺身はわさびを刺身に付けて食べても良いが、烏賊そうめんは、醤油の中にワサビを溶いて食べるのがマナーだ!?

食事のマナー(食事にしぐさや振る舞い)について、美しいお皿の景色を保つことを、徹底なさっている、特に女性はわさびをお醤油のお皿の中に溶く行為をいたしません。
とはいえ、貴方様が、お醤油の中にわさびを溶いて、ご自身のこだわりや美味しさの追求をなさることは決して否定いたしません。但し、貴方様のこだわりを、絶対的なマナーとして、お伝えになりその方法を強要なさるべき項目ではございません。礼儀作法(躾け)の一部として伝授するのは控えましょう。

そして、貴方様に今一度、お確かめいただきたい「食べ方マナー」を、お伝え致します。
いつもお気を付け頂きたいのが、

○犬食い

お皿の方に、お顔を近づけて召し上がる行動。もしくは、お皿までお顔を近づける方法はなさらなくとも、お箸を途中までお顔に近づけ、結局はお顔をお箸の方に近づけている。
みっともないので辞めましょう。

○踊り箸

大切なお話しをしながらの、会食の時についつい熱弁をし、お箸を動かしているつもりはないのでしょうが、お箸が動いているのです。ましてや、煙草を持ったまま、お話しになるお方は、お話ししながら煙草を動かす行為にもしっかり気を付けましょう。動かしていないつもりでも、動かしていらっしゃるお方をお見受けする機会が多々あります。

貴方様の決まりごとのマナーを、周囲の方々に押し付けることなく、お過ごし下さいませ。しかし、貴方様独自の素敵なこだわりを否定しているわけではございませんので、あしからず。

河村まどか
礼儀作法教室ドルチェ・フィニッシングスクールを主宰。岡山、山口に教室を持つほか、企業研修など全国で出張レッスンを開催。ホームページはhttp://dolce-fs.net メールアドレスはinfo@dolce-fs.net

本誌:2013年1.28号 19ページ

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